Notes【短編集】

２人だけの：まふまふ ページ24

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　冬休みも終わって、学校が始まって、３年生の私は学校に来るのも残りわずか。

　昼までの授業が多い中、今日は他の学年と同じ時間に授業が終わったから久しぶりに図書室に顔を出した。

　「あ、いたいた。」

　「お久しぶりです。今日は暇なんですか？」

　「聞き方。まあ、今日はちょっと余裕あるかな。」

　１つ下で図書委員。同じ委員会で気付けばよく話すようになってた。女子から人気があるらしくて、近寄るのは怖いから図書室でしか会話したことないけど。

　「Aさんが卒業するの信じられないです。」

　「え、そんなに成績ヤバそうに見えてるの？」

　成績上位とまではいかないけど悪くない成績は取ってるんだけどな…。見た目がバカそうってこと？

　「あ、いや、そういうことじゃなくて…。なんていうか、１年の時から委員会一緒でこうやって話してきたので来年はいないって実感がわかないなぁと思って。」

　「あ、そういうことね。」

　そっか、そう考えると２年間こうやって図書室で会話してきたんだもんな…。図書だより作るの手伝ってもらったりもしたし…。


　「寂しいのでたまには顔出してくださいね。」

　「ん−、考えとくね。」

　社交辞令を本気にしたら悲しいのは私だから、曖昧な返事で誤魔化させてもらおう。

　「待ってますね。」

　「来るって言ってないのに怖いなぁ。」

　２人で静かな図書室でくすくすと笑う。あとちょっとの学生生活で、こうやって図書室で話すのはもっと少ない。

　「卒業までここで話すの付き合ってね。」

　「こちらこそ。また来てくださいね？廊下で会っても無視するんですから。」

　「だって女の子たち怖い。」



　２人きりの図書室で。

バ先の先輩:天月→←褒め上手:となりの坂田。

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