君をさがしてた。episode3 …2 (ページ9)

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スタジオ内に響き渡るのは “Go my way”の伴奏。
Aがマイクを持ち、全てのパートを一人で歌い上げながら踊っている。

隆二「なん、すか…これ…」

汗だくになりながらも、物凄い集中力で一切力を抜いていないその勢いは、ステージに立っている時となんら変わりない。

直人「隆二の言った通り、Aは女の子だろ？普通にしてたら男の俺たちとは体力も、その身体で表現できる力強さも少ない。

だけどしっかりと三代目のボーカルとパフォーマーを兼任してるでしょ…あの小さな身体で歌って踊りながら俺らについてくるのって、普通ならあり得ないことだよね。
しかもAの場合、ついてくるどころか一人飛び抜けて輝くような、そんな場面でさえある。

それに気付いたとき、Aは俺らが思ってるよりずっと…何倍も何ッ倍も努力してたってわかったんだ。

でね、そのことをTETSUYAさんに言ったら、「特別だよ」って俺らにこっそり見せてくれたのがこれだった」

“Go my way”がフェードアウトしていき、今度はGENERATIONSの “Love You More” の伴奏が流れ始める。

Aはその額から流れ落ちる汗を拭うことなく、再び踊り、歌い始めた。

隆二「あれ、振り全部覚えてるんすか…」

汗をも気にしないその集中力にも驚かされたが、何より自身の楽曲だけでなく他のグループの楽曲の振りも歌詞も、何もかも全て記憶していることに唖然とした。

ELLY「あれ、Aの秘密トレーニングらしいんです。紅一点の三代目に入ると決まった時からああやって、EXILE一族全ての楽曲をランダムに流しながらステージに立っている時と全く同じパワーで何時間も歌い続けるようになったって。

余りにすごい集中力で倒れる寸前までやるもんだから、心配したHIROさんから、一時間に一度は必ずブレイクタイムを入れるように言いつけられてるらしいです。」

隆二「一時間…」

そんなん、男の俺にだってキツイ…。

直人「普通出来ることじゃないよな。

“女だから出来ない” …出来なくても“しょうがない。” って俺たちに思われるのが嫌で、メンバーの誰にも内緒で、ただ一人ずっとこのトレーニングを続けてたんだ。」

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