君をさがしてた。episode3 …2 (ページ8)

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直人「さ、じゃーそろそろ行くか！」

お会計を済ませ立ち上がる直人さん。

隆二「あ、あの、直人さん！俺に見せたいものって…」

直人「今から行くよっ！」

そう言って彼は悪戯っぽく笑った。

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タクシーに揺られること数十分。
着いた先は、見覚えのない白い建物だった。

隆二「なんすかここ？」

直人「んー、ダンススタジオ！」

は？

答えになってるようななってないような、言葉足らずな直人さんとELLYはその建物の中に入っていく。俺もその後に続いた。

なんなんだよここ…

建物内に入るとそこは不思議なほどに静まり返っていて、本当にここダンススタジオかよって思うほど人の気配も音楽も聞こえてこない。

直人「ここさー、使われなくなったスタジオをHIROさんが建物ごと買い取ったらしいんだ」

隆二「へえ…なんのために？」

直人「本当はレッスンスタジオにするつもりだったらしいんだけど…」

そのとき、先頭を歩いていたELLYが振り返って、シーっとジェスチャーして来て、俺と直人さんは言葉を飲み込んだ。

ーー、ーーー、♪

かすかに音楽の鳴る音が聞こえてくる。

隆二「え？」

直人「集中してるだろうから、気付かれないと思うけど…静かにな。」

そう言って直人さんがゆっくりと開けた防音扉の先を覗き込む。

そこには、

ただ一人ひたすら全力で踊るAの姿があった。

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