君をさがしてた。episode3 …2 (ページ43)

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広臣「……」

「HIROさんの本心はわからないけど…、凄いと思いました。三代目の加入を告げられて、受け入れるふりをしながら直前まで心に迷いがあった私を

たった2人の存在で納得させたんです。」

広臣「俺らとの電話が、三代目加入を決心させたの？」

「いえ、決心はとうに出来てました。HIROさんに告げられたそのときに。

でもやっていけるかどうかの不安は、ずっと拭えなくて。
でも2人の声と私の声が合わされば…なんか凄いことが起こるような気がしたんです。」

意外だった。
三代目加入前のAの心に迷いがあったこと。
HIROさんに言われたことが絶対であるAだから、強い思いを持ってデビューに備えてたのかと思ってた。

でもその迷いを拭ったのが俺らだったと知って、途端に嬉しくなった。

凄いことが起こるようなワクワク感…
お互いに同じような事を思っていたことにも。

この気持ちをAに伝えたい。

広臣「…ーー “トサカさんって読むんですか？合格おめでとうございます。

私、香椎Aと言います。
これから、よろしくお願いします。” 」

突然俺の口から出たセリフに、Aの肩がピクンと跳ねる。
あの時のAの言葉は今でも一字一句覚えてる。

嬉しくて高揚する気持ちを現す代わりに出てきたのが、これだった。

「なに、？」

広臣「Aに言われたこと一言も忘れてない。お前はどうなんだよ」

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