君をさがしてた。episode3 …2 (ページ36)

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Aから百合根の電話の事を聞かされた俺は、彼女を一旦直人さん達の元に連れてってからボーカルの待機している楽屋へと歩みを進めた。

許せん…百合根のやつ。

バンッ！

健二郎「臣ぃ！！」

楽屋の扉を荒々しく開け彼の名前を叫ぶ。
しかしそこに目当ての人物はいなくて。

・・・。

楽屋はもぬけの殻。

ELLY「ボーカルの2人ならさっきディレクターに呼ばれてスタジオ行ったらしいですよ。」

背後からそう言われ振り返ると、ステージでリハをしてるはずのELLYがそこにいた。

健二郎「…なんでELLYがおんねん。」

ELLY「健二郎さんとAの様子見て、まさかと思ってついてきました…臣さんに何言うつもりだったんですか？」

健二郎「2日前から何回か、Aに百合根から電話がかかってきたらしい、脅迫されてたって」

ELLY「え、Aそんなこと一言も…」

健二郎「皆に心配かけたくないから言えんかったらしいわ。でも、“大切なもん全て壊す”って言われて、あいつ泣いてたわ。
俺らとの関係壊されるの怖いって俺の腕、ずっと離そうとしなかった」

俺に縋るAを思い出すと、百合根に対する怒りがふつふつと湧いてくる。
そしてその百合根を焚きつけた臣にも…。

ELLY「それで、臣さんに…」

健二郎「百合根のことは完全にあいつが原因やんか！
Aが苦しんでんのに、なんであいつが平気な顔してられるん？！許せんわ、Aを苦しめる百合根も…それをほっとく臣も！」

ELLY「臣さんが平気だって、何でわかるんすか？」

健二郎「…は？」

ELLY「健二郎さん、俺らなんも分かってなかったんですよ…Aの事だけじゃなくて…ずっと仲良かった臣さんの本当の気持ちも…」

健二郎「ELLY？何言ってんの…？」

臣の本当の気持ち？なんやねんそれ。

突然のELLYの発言にびっくりして開いた口がふさがらない俺に構わずELLYは続ける。

ELLY「俺、隆二さんから聞いたんすよ。」

臣さんの真実。

と、ELLYは俺に、3年間臣がひた隠しにしていたAへの思いを話し始めた。

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