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「突然きて、突然帰って、本当お騒がせしました」
俊介「本当だよ。でもまあ、Aちゃんは俺の大事な弟子だからな。曲が完成する瞬間に立ち会えないのが残念なくらいだ」
「っ、ありがとうございます…」
俊介「ん。明日の今頃にはもう出来てるんだよな？」
「はい、そのはずです。」
俊介「んじゃ、生歌デモテープ楽しみに待ってるわ」
「……。」
俊介「なんだよ笑 ぜってえ持ってこいよ。」
「はい…」
新千歳空港、午後18時30分。
本来乗るはずだった飛行機より二便早い飛行機に空きがあったということで、そのチケットを俊介にとってもらったA。
ロビーにて、向かい合う。
「では、帰ります」
俊介「おう。Aちゃんの健闘を祈ってる。」
「はい。ーーあの、…2ヶ月間 本当にありがとうございました。」
俊介に作詞の指導を願い出たあの雪の日と同じように バッと頭を下げ、しっかりと感謝の意を示したA。
俊介「なにこれで終わりみたいな感じ出してんだよ。」
「え…だって、」
俊介「甘えから。まだ教えてないこと沢山あるし そのすぐ不安になる根性も叩き直さないとなあ？」
「ひっ…！」
俊介「俺が東京帰ったら楽しみにしとけよ…？」
そう言った言葉とは裏腹に、優しい笑顔を浮かべ Aの頭に手のひらを乗っける。
俊介「とりあえず、今Aちゃんに出来る全てを出し切れ」
「ーーはい。」
力強い俊介の言葉に背を押され、Aは再び、東京へと戻っていった。
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月16日 0時
