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無造作に書き殴られた言葉の中に、所々ちゃんとまとまった分があり、それをフリーハンドの丸が囲んで “Aメロ”やら “サビ” やら書いてある。
俊介「どれどれー…ーー、ふーん、……、…
…まあ、悪くないじゃん。」
「一番のAとBはそれで固まってて…NEVER ENDの圭介と奈々絵の…どちらかと言えば奈々絵寄りになってしまったんですけど。サビは、まだそのフレーズしか出来てなくて。最後までまとまってないです」
俊介「で、2番は全く出来てないと。」
「はい…」
俊介「…結構な緊急事態じゃないの。」
「はい……」
困ったね。と言う俊介の顔を不安気に覗くA。
俊介「…なーんだよ、俺の顔に歌詞は書かれてないぞ？」
「うっ…」
俊介「んー、どうしよっかね。Aちゃんはもう書きたいことは全部書いちゃったの？」
「書きたいこと…私が奈々絵を演じて感じたこと、奈々絵として感じたことは…きっとこの中に詰まってます」
俊介「んー、そうか、じゃあ、…ここ最近、Aちゃんの心を一番占めていた想いとかは？」
「一番占めていた想い、ですか？」
俊介「そうだ。一見、NEVER ENDに関係ないことでもいい。この一ヶ月の間、生活の半分は奈々絵として過ごしていたのだから、きっと どんな想いでも、奈々絵に通ずるものがあるはずだ」
歌詞の、言葉の指導をする俊介さんの話は いつも少しだけ 難しい位置にある。
あと少し深く考える事が出来れば理解することが出来るような、そんな哲学的な言葉で話してくる。
俊介「どう？この映画と出会ってから今までの間で、NEVER END以外に、一番君の心を占めていたのはどんな事？」
映画の話を始めて貰ってからの4ヶ月間…
同時期に私の中に起こった一番のこと。
そんなのはたった一つだ。
「三代目のメンバーとの事です。」
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月16日 0時
