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きっかけは些細なことだった。
マネ「今日のヴォーカルチームの歌練だけど、Aは別で」
「はい。」
隆二「だからさ、いい加減そのこいつだけ別ってのはおかしくないですか」
臣「俺ら納得できないんだけど」
「……」
打ち合わせの終わった会議室にて、いつも通り険悪ムードのヴォーカル二人。
そしてAは珍しくマスクをしてフードをすっぽり被り、その表情はほとんど見えない。側から見たら寝てるようにも見える。
臣「なんか言えよ、お前の話してんだけど」
「……」
臣「都合の悪いことは無視か？お前本当いつもそうだよな」
マネ「いや、あのそうじゃなくて、今日Aな…「大丈夫です」」
「大木さん、大丈夫です…」
マネージャーが何か言おうとしたのを遮るA。
(((起きてた…)))
若干蚊帳の外になっていたパフォーマー陣は突然言葉を発したAに呑気にそんな事を思っていた。
マネ「じゃあ、俺タクシー回してくるな？」
「はい…」
そう言って会議室から出て行くマネージャー。そしてAも早々に帰り支度を始め、部屋から出て行こうと立ち上がったそのとき、
ガシャアンッ！
臣「てめえ…いい加減にしろよ」
臣が今の今までAが座っていた椅子を思いっきり蹴り飛ばした。
いつもならここで止めに入る直人と直己は今いない。シン…と静まり返った部屋の中に臣の怒鳴り声が響く。
臣「いつもいつも、都合の悪い事は全部マネージャーに言わせてお前は黙りだよな？！いつまでもそんな事が通用すると思ってんのかおい！」
「ーーー」
Aは小さく何かを言ったが、あまりに小さすぎて周りの誰にもその言葉は聞き取れなかった。
そしてそれを臣は無視と認識したのだろう。
臣「ふざけんなよ…！」
隆二「あ、おいっ臣！！」
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作者名：とまと野郎
| 作成日時：2014年11月5日 19時
