71 / 裏の顔 ページ21
「 海葉さんこっちで〜す 」
『 あ、はい 』
2人の女性スタッフさんに連れられて廊下を歩く。
「 先程はお隣って言ったんですけど
急遽使えなくなっちゃって…、
少し遠くなっちゃうんですけど大丈夫ですか？」
『 あ、大丈夫です 』
「 はい、あ、ではこちらで〜す 」
暫く歩き続けて、端っこにあった部屋。
スタッフさんが扉を開けるとそこには
衣装…であっただろう物が無惨に散らばっていた。
…見る限りだと、7色に装飾された、
シンプルなセットアップの衣装だったのだろう。
「 これえ、衣装さんが頑張って作ってたんですけど〜… 」
「 海葉さんには勿体無いかなあ、って…
私達がリメイクしときました〜 」
「じゃーん！」と言って散らばる服を指す。
言っている事が信じられなくて、
裏の顔を知ってしまった気がして脚が震えた。
「 ふふ、これじゃあ出られないですねえ、
撮影も、記者会見も 」
「 じゃあこの部屋からも出る必要ないですよね、
鍵、かけときますね、それじゃ 」
"このままじゃマズい"
"ここから出られなくなってしまう"
そう思うのに、段々と力も抜けて来てしまって。
ついには、その場にへたり込んでしまった。
＿＿＿＿【ガチャン】。
鍵を閉められたのだろう。
鍵穴が回る音が、大きく、大きく響いた。
…そして気が付いた。
何故かこの部屋には内鍵が付いていなかったこと。
まあ、だから彼女達はこの部屋を選んだのだろうが。
どうしよう、と溜息を吐く。
今度は「巻き込みや、やから嫌やったんや」って
それともまた「さっさと辞めろや」って
言われてしまうのだろうか。
そうも思ったけれどそれ以上に、
「ここで呆気なく終わりたくない」
という気持ちが大きくなり、
部屋の扉を拳でドンドンと叩いた。
『 誰か、助けて下さい…！
開けて下さい！誰か…！！』
出せる限りの声を絞り出して、誰かが来てくれるのを待った。
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ｲﾛﾊ(プロフ) - まゆさん» コメントありがとうございます …！そう言って頂けて嬉しいです ◎ ゆっくりですが加筆して参りますので、お読み頂けたら幸いです。これからもよろしくお願い致します ◎ (2021年3月25日 0時) (
レス) id: c6ea372a6e (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！更新楽しみにしていますので、無理をしない程度に頑張ってください！ (2021年3月24日 23時) (レス) id: d72ab54115 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｲﾛﾊ | 作成日時：2021年2月20日 18時
