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『追跡班は、追跡を続けさせて。忍術学園とやらの場所がわかり次第、総力戦で叩く。』
実「御意。」
実炙がまだ何か言いたそうな顔をしている。
『何?』
実「藍色の装束に銀髪の忍。竹谷八左ヱ門ではありませんか?」
『…そうかもな。』
実「よろしいのですか?」
『何が?』
実「このままだと、殺すことになります。」
『ああ。構わん。』
私は別にアイツがいなくても困らない。今までだってそうだった。
私は生きてきた。
独りで。
岩隠れ忍者隊が拾ってくれるまで、私は独りで生きてきた。
何も困ることは無い。
『それよりも…長に報告だ。』
実「はっ。」
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里長「そうか、逃がしたか。」
『申し訳ございません。』
この禍々しい気配。長は相当お怒りになられてる。
ただでは済まなそうだな。
実「大変申し訳ない…これは私の力不足故の結果。A様はタソガレドキ組頭、雑渡昆奈門を相手にしておりました。」
里長「だからなんだ。」
実炙が黙り込む。これ以上何も言ってはいけないことを察したのだろう。
里長「役立つめ。」
長が手に持っている杖を地に叩きつける。
その瞬間、感じたこともない重圧に襲われる。
長の妖術か。
『ガハッ…グッ…カハッ…ゴフッ』
里長「お前を完璧な忍にするため、幼少期から育ててきた。こんな役立つに育てた覚えは無い。」
吐血が…止まらない…っ!体が締め付けられるような感覚。
実「A様!!」
実炙が駆け寄ってくる。倒れそうになったが、何とか支えてもらい元の体制に戻った。
里長「忍術学園の場所は?」
長が私の横を通り過ぎていく。
『ハァ…ハァ…現在…ハァ…追跡…させています。』
里長「どうするつもりだ?」
『学園の場所がわかり次第、総力戦で叩く、つもりです。』
里長「何百といる岩隠れ忍者全員を使うのか?」
『数はそちらに任せます。』
長の足が止まる。
里長「次はないと思え。」
『御意。』
里長「実炙。貴様もだ。次同じ失態を犯せば、これ以上の処罰を下す。」
実「御意。」
長がふとこちらを見た。
『どういたしましたか?』
里長「竹谷八左ヱ門、お前の兄。」
『はい。』
里長「情けはかけるな。」
『承知しております。』
里長「お前は完璧に近い存在だ。」
そう言って長は立ち去った。
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リング(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年2月2日 17時) (レス) id: 4477b9e623 (このIDを非表示/違反報告)
名無し60018号(プロフ) - 続き早くみたいです!楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年12月26日 22時) (レス) id: 944439b224 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごパフェ | 作成日時:2020年12月17日 20時