たぶん、夢。 (ページ46)

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▽

「Aさんのこと……好き…なんです。」

…え？

まさか、告白されるなんて思わなかった。
頭が真っ白になってしまった。

辛うじて、大谷くんの方を見ると
耳を赤くしながら
言ってしまった…というような顔をしていた。

…正直、気持ちはとても嬉しい。

男の人とこんなに楽しく会話することなんてなかったし、
一緒にいると居心地がよかったし。

彼の職業を知ってなかったら、
たぶん即返事を返していたと思う。

そんな中、頭の中の天使と悪魔が囁きあう。

(一般人の私なんかを選んだら、絶対に後悔するのは大谷くんだよ。
私より素敵な人は山ほどいるのに。

それに、一般人と交際！なんて記事が出ればネット大炎上。
私なんか耐えれないよ、きっと。)

(おいおい、
こんなイケメンに告白されるなんて、一生こないぞ！
今が超絶ピークのモテ期なのに、棒に振る気？
喪女を貫く気？)

攻防がずっと続く……、もう埒が明かない。

このまま沈黙が続いたら大谷くんに申し訳ない…

ほんとは、時間が欲しい、ゆっくり考えさせてほしい。
でもきっと、考えても出てくる答えは一緒だから。

彼の目を見て答えた。

「ありがとう、大谷くん…。
まさかそんなこと思ってくれてるなんて…。」

出来るだけ、私のこの気持ちはバレないように
顔に出さないように、振舞う。

「すごく、嬉しいです。…でも…」

「……Aさんは友達として接してくれてたのに、
いきなりこんなこと言ってごめんなさい。」

「謝らないで…！めっちゃ嬉しいよ？

けど……大谷くんのことは、友達だと思ってたから、そういう風には考えられないかな…。」

……嘘です。

付き合ったら楽しいだろうな。
一緒に遊びに行きたいな、とか妄想してました。

大谷くんはこんな下心あるやつと付き合っちゃいけない…！

と心の中で呟く。

「僕のこと、友達としてなら好きですか？」

友達として…？
友達としてなら…

「うん、好き。
…これからも迷惑をかけないように
仲良くしたいと思ってます。」