たぶん、夢。 (ページ28)

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▽

帰ろうとしたら、
横のおじさんに捕まってしまい、
色々と語られた。もうそれは色々と…。

得られた大谷くん情報は、「二刀流」
ピッチャーもバッターでもすごいらしい。
(確かに最後のやつはすごかった。)

そして、こっちでは「日ハム」ではなく
「ファイターズ」って言うらしい。
(おじさんはファイターズ、ファイターズ連呼してた。)

大谷くんのこと
なんで気づかなかったんだろう。

そういや、テレビで見たかもしれない。二刀流の選手がいるって。

その時は気にも止めなかったけれど。

でも、まさか
そんな有名人がコンビニ通ってて、
友達になってくれると思わないじゃん。

帰りの電車に乗りながら「大谷翔平」で検索すると、
溢れ出る大谷くんの記事。
エゴサして、凄さがだんだんと分かってきた。

(そういや、野球選手って教えてくれなかったな…)

試合後の興奮と、
大谷翔平を知らなかった自分の無知さに
少し不甲斐なさを感じながら家に帰った。

。

お風呂に入った後、ケータイを見ると
何件かメッセージが入っていた。

大谷試合、一緒に見れなくてすいません。

大谷びっくりしました?

(いやもう本当にびっくりしたよ。)

絶対イタズラが成功した、って顔してるんだろうなぁ。
インタビューで淡々と答えてた人とは思えない。

A 大谷選手、試合お疲れ様でした!

A めっちゃびっくりしたよ、席に来ないでグラウンドの方いたんだから!

大谷 Aさんのびっくりした顔見たかったです。

珍しく返事がはやく来てびっくりした。
返信しようと文字を入力していると、画面が着信画面に切り替わった。

(うわっ…！電話！？)

大谷くんからの電話なんか初めてで
動揺して、ボタンを押してしまった。

『うわ押しちゃった……もしもし？』

『はは、Aさん心の声漏れてますけど(笑)』

『いきなり電話きてびっくりしたんだよ、
今日はめっちゃ驚かせてくれるね、大谷選手』

『今日はお疲れ様でした。最高に熱い試合ですっごく楽しかったです。

まさかね～、プロ野球選手だとは思わなかった。』

『怒ってます？』