たぶん、夢。 (ページ16)

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斎藤投手からのプレゼントページ16

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大谷Side

ミーティングに向かう廊下を歩いてる時、
いつもチケットを取ってもらってる広報のスタッフさんを見つけた。

「お疲れ様です。
チケット1枚取っといて欲しいんですけど、
土日で余ってそうな試合ってありますか？」

広報「大谷選手、お疲れ様です。
1枚ですね…、席はどこが良いですか？」

「…1枚って、誰にあげんの？」

「うわっ！！斎藤さん！？びっくりした…！
後ろから急に話しかけるの、
ほんとやめてくださいよ。」

厄介な人に見つかった…と、
申し訳ないけどそう思った。

上沢さんだったら、適当にあしらえるけど
斎藤さんはちょっとなぁ…と思っていたら、

何かブツブツ考え事を言っているようだった。

「家族…だと大体2枚以上取るよな…？
もしかして女の人だったりして。」

すごく察しがいい。
なんで性別まで当てちゃうんだ…。

「そうですね。」

「あ、隠さないんだ。」

「ただの友人なんで、隠す必要もないですし。
その子、斎藤さんを見たいって言ってましたよ。」

そうAさんが言ってたことを伝えた。

「本当は自分自身を見てほしいのに」
という考えとは裏腹な行動をする自分に腹が立つ。

(なんで、最近こんな感じなんだろ。
いつもならもっと上手く立ち回れるのに。)

「え！そうなんだ！じゃあ8月8日は？俺登板するよ？」

広報「えーっと、ちょうど土曜日ですね。」

「じゃあSS席俺がプレゼントしよっかな～、いい？」

「まぁ…いいんじゃないですか？」

広報「では、SS席1枚手配しておきますね。」

「よろしくお願いしまーす。」

俺を置いてけぼりにして、
どんどん話は進んでいった。

その時は、自分がスタメンじゃなかったなんて、忘れてた。