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▽
大谷Side
(この後、どうしよう)
時間的にはまだ夕方。
この後は夜ご飯の後に取材が一本入ってた。
(ご飯食べる前に、今日のトレーニング終わらせておきたいな…)
「大谷くん」
「？」
「まだ、時間ありますか？」
「ちょっとなら。」
「じゃあちょっとだけ、
駅につくまでお散歩しませんか？
ここらへんあんまり知らなくて、案内してくれると嬉しいんだけど…」
それぐらいなら大丈夫か。
「いいですよ、歩きましょうか。」
歩きながら、ぽつぽつと会話を交わす。
「Aさんは北海道、どこか遊びに行ったんですか？」
「行ってないんだよね〜、
高校の時に就学旅行で来たり、
札幌ドームでライブ見に行ったりはしたけど。」
(ドーム行ったことあるんだ。
この感じだとバレてないんだろうな…)
自分が野球選手として
マウンドに立っていること、言いたいようでいいたくない。
Aさんには、「プロ野球選手」としての自分をまだ見せたくなかった。
知られてしまうと
やっぱり色眼鏡で見られてしまうことも多いから。
この冗談を言い合える友人の関係を壊すつもりはなかった。
「Aさんはインドア派？」
「んー
社会人になってからは、あんまり出歩かなくなったかも。
ずっと家で漫画とかゲームしてるかなぁ。」
「どんなの読んだりしてるんですか？」
「お！もしかして大谷くんもオタク！？」
「いや、オタクではないですね(笑)」
「そっか、残念だ…
漫画は色々読んでるよ、
ずっと好きなのは野球漫画かな〜。
あの、一年生だけで甲子園目指すやつとか。」
「あぁその野球漫画、僕も読みましたよ
メンタルトレーニングとか
他の漫画では深く掘り下げられていないとこ掘り下げてて
勉強になるな、と思って。」
「おぉ、ちょっと私とは違う視点で漫画読んでるね。」
「そうかもしれませんね」
(そうか、普通の人はそこに興味は沸かないか…)
「Aさんは、スポーツだと何が好きなんですか？」
「んー、人がやってるのはあんまり見ないんだけど高校野球は好きだな。
家から近かったから、夏には友達とよく見に行ってたな。
全員イガグリ頭だったから、有名人しか覚えてないかも。」
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作者名：あんころ | 作成日時：2021年8月23日 19時
