073 焦燥 ページ23
片付けも終わり、この体育館からおさらばする時が来た。
田中くんとモヒカンくんは泣きながら握手しているし、澤村くんと黒尾くんはこれでもかと力を込めて握手しているし、烏養さんと直井コーチも互いの手を握りつぶすがごとく握手している。
なんだこの状況。
挨拶をして、音駒高校は駅へ。私たちも一度合宿所へ帰る。
部員たちは歩いて帰るが、私たち大人組と潔子ちゃんは車で移動しているため早めに合宿所に着いた。
ここで部員たちが到着してから、集合して今合宿の反省をしておしまい。
いやあ、中々濃密な時間だった。
「は〜、これでとりあえず終わったのか」
「ええ、とてもいい合宿になったと思います」
「お疲れ様でした」
「Aさんがいてくださって、楽しかったです」
「き、潔子ちゃん……私も楽しかったよ本当に」
なんて食堂で４人まったりしていた。
そろそろ皆も着くかなーってときに私の携帯が鳴る。
「あ、すみません。電話出てきます」
発信者は……知らない番号だ。
少し不審に思いながらも出てみる。
「もしもし」
『あ、Aさん？！ 俺、黒尾です』
「あ、黒尾くん。どうしたの？」
『わりい、研磨とはぐれて電話繋がらねえんだあいつ！ そっちの方にいたりしないよな？！』
「え、研磨くん迷子なの？！ ちょっと周辺探してみるけど、新幹線の時間は？」
『まだ余裕あるけど、15時発。仙台駅から』
「わかった、他の先生にも言って探してみる。何かあったら電話する」
『すまねえが、よろしく頼む』
かなり焦った声の黒尾くんだった。
そういえば研磨くん、日向くんが迷ったときも迷子になってたんだっけ。
電話繋がらないっていうのがかなり心配だけど……。
こう考えている時間も惜しい。
早く探し出さなきゃ。
「すみません、今音駒の主将から電話があって、あちらのセッターが今迷子で連絡がつかないみたいです！ 私この辺にいないか探してきます。どなたか一緒に探してくれませんか？」
「何？！ 俺も行く。２人は何かあったときのため待機していてくれ」
「わ、分かりました！」
「私、音駒の連絡先持ってるので何かあったら私に電話ください。車で周りますが、ハンズフリーで電話できますので！」
そう言って烏養さんと私で合宿所を出る。
烏養さんは体育館の方へ戻ってみるということで私はその逆方向を探してみることに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1404人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴえん - めっちゃおもろくてもうとにかく好きです。ー日本語が変なのは気にしないでくださいー (2020年8月3日 10時) (
レス) id: 243282b2cc (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - しらすパンさん» ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。頑張ります！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
しらすパン(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました!!続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2020年5月29日 21時) (レス) id: d0609b57e9 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます。今この時世ですからね、お互いステイホームで頑張りましょうね！ (2020年5月17日 19時) (レス) id: c8d57ac98d (このIDを非表示/違反報告)
みずき(プロフ) - コメ失礼いたします！一からすべて読ませていただきました。とてもおもしろかったです！体調に気をつけて更新頑張ってください。応援しています！(*´∀｀) (2020年5月17日 0時) (レス) id: bace071e6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：西 | 作成日時：2020年5月16日 21時
