KissAssassin (ページ30)

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失敗ページ30

｢遅くない？｣

ダイヤにそう聞く。

｢そうか？
まだ三十分しか経ってないだろ？
それに、こっちだって何の動きも無いんだし。｣

｢でもなぁ、ボスの事も気になるじゃん？
何も収穫無くてもさ、せめてそれくらい教えてくれてもねぇ？｣

ハートがそう言った時、二人の片耳にスペードから報告が来た。

『待たせて悪かったな。』

｢本当に待ちくたびれたよー。
確認するのにどんだけ時間かけんだよ？｣

遅い、とグチグチ言うハート。

『だから、悪かったって。
で、ボスの事なんだけど、右手を撃たれていた以外は怪我していなかった。』

撃たれたと聞き、言葉を失った二人。

『詳しい依頼内容の事だが、、、聞けなかった。
代わりに、俺達が撮った写真を渡された。
それだけが手掛かりだ。
俺はこの写真を頼りに、ターゲットの事を探ってみる。
二人は引き続き、奴らを見張っていてくれ。』

頼んだ、と通信が切れた。

｢ボスが、あのボスが撃たれたって、、、。｣

そう言い、絶句するダイヤ。

｢でもさ、右手だけだって。
大丈夫だよ。
きっと、スペードが手当てしてくれてるよ。｣

｢ハートはいつも前向きでいいよな。｣

｢それしか取り柄が無いからね。｣

そう言って、苦笑いをした。

だって、そう思わないとやってらんないから。

明るく振る舞っていないと、昔みたいに一人になってしまいそうで、怖いんだ。

あの頃には、絶対に戻りたくないから。