総理 ページ44
慌てて来たQUEENに、テレビをつけろと言われ、意味が分からないままつけると、目を疑うニュースがやっていた。
『えー、先程、総理が会見を開きまして、辞任を表明されました。』
｢え、、、？
辞任？｣
俺だけではなく、皆、呆気に取られていた。
ただ、KINGだけは、合点がいった様な顔をしている。
｢これであの子は、Aはもう、狙われなくて済むんじゃない！？
元の家に戻ってもらおうよ！！｣
｢落ち着け、QUEEN。
Aの安全が確保されるまで、当分は此処に居て貰う。
それより、KINGの考えを聞こうか。｣
俺がそう言った瞬間、一斉にKINGへと視線が注がれた。
｢ゼロ、どうして俺の考えを聞きたいんだ？｣
｢どうしてって、何か気付いたんだろ？
というより、全てが分かったって感じだな。｣
｢お前は昔から、周りを良く見てるな。
そうさ。
ゼロの言う通り、全て分かったよ。
きっかけはAだったのかも知れないけど、今回の騒動を計画したのは、二人の人物だ。｣
｢二人？
一人はトランパー二代目ボスだってのは、分かるけど、もう一人は一体、、、？｣
いまいちピンと来てないのか、ファイブが口を挟む。
｢もう一人は、俺達が護衛していた人物。
多分その人物が、今回の計画をボスに持ち掛けた。｣
｢その計画は、ボスを除いたトランパーの暗殺者の皆殺しだろ？｣
｢違うな。
ゼロ、良く思い出せ。
お前はボスが出世の為に、邪魔な俺達を殺すって言ったよな？
けど、トランパーのボス、という一番上の地位まで上り詰めたんだろ？
これ以上の出世といったら、裏の世界ではなく、表の世界で生きていく事になる。
それに、創始者の思想である、国の平和の為に、邪魔者を暗殺する。
これを、ボスはどうでもいいと考えていた。
なのに、総理の依頼を何でわざわざ受けたんだ？
本来なら、その時点で気付くべきだったんだ。｣
KINGがかなりヒントを出して、漸く理解し、目を見開いた。
｢そういう事か。
何か引っ掛かっていたのは、その男だったのか。
なら、もしかして、、、。｣
｢え、何！？
めちゃくちゃ気になるんだけど！？
ねぇ！
教えてよ！！｣
未だ理解していないフォーが、俺にも教えろと迫るが、言ってもどうせ理解出来ないだろう。
それよりも、ヤツらを止めないと、ACEは、、、。
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
