総理 ページ42
その後、S-Aのアジトに着いた私達は、ゼロに事のあらましを全て話した。
その際、ACEを連れて来る事が出来なかったのに、誰も私を責めず、少し胸が痛んだ。
そして−
｢凄い可愛い！
ねぇ！
貴方の名前は？
あ、私はね、Aって言うんだけど、本当に可愛いよね？｣
｢あ、あの？
近くない？｣
聞いてもいないのに、勝手に自己紹介し始めたA。
さっきから可愛い可愛いばかり言って、めちゃめちゃ顔を近付けて来る。
｢ごめん！
でも可愛いから、近くで見ていたくて。
で、名前は？｣
ぐいぐい来るなぁ。
苦手なタイプだわ。
というか、どうして私が此処に居なきゃいけないの？
さっきまでアジトに居たのに、QUEENは女の子だから、あの子の傍に居てあげて、とサードに言われ、此処に連れて来られた。
｢名前、、、は教えられないけど、コードネームみたいなものなら。｣
｢良いよ！
それで良いから、私にも教えて？｣
｢、、、QUEEN。｣
｢そっか！
宜しくね！
QUEEN！！｣
そう言って、Aは勝手に私の手を取り、握手する。
駄目だ。
本当に苦手過ぎて、嫌いになりそう。
｢そんな事より、Aちゃんは、どうしてこんな所に居るの？
君も暗殺者、、、とか？｣
｢ううん。
私は、普通の中学一年生だよ？
S-Aの皆に助けて貰って、此処に居るの。
だから、どっちかって言うと、殺される側だね。｣
笑いながらそう言うA。
そうか、この子が事の発端となった子供か。
総理の隠し子らしいけど、総理にあまり似てない。
だから、きっと母親似なのだろうが、どこかで見た気がしなくもない。
｢ねぇ！
QUEENは、これからS-Aと共に居るって事、だよね？｣
｢え、あぁ、そうね。
これが片付くまではね。｣
その時、予想もしていなかった衝撃発言が、テレビから聞こえてきた。
｢え、今何て、、、。｣
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
