同胞 ページ37
−その頃、トランパーでは−
「最近、QUEENの動きが少し怪しくない?」
後ろから、JACKの声が聞こえ、振り返った。
「怪しいって、それはJACKの勘違いじゃないか?」
「勘違いじゃないよ!
どうせKINGも知ってるんでしょ!」
「そんな怒らなくても、知ってたよ。」
そう言って、JACKをからかうと、滅茶苦茶キレられた。
「僕、KINGの事嫌いになるよ!?」
「ははっ。
悪かった、悪かったよ。」
JACKに謝るが、本当はそんな気持ち、1ミリも思ってない。
直ぐに泣き喚く子供は嫌いだからな。
「で、その事ACEには言ったのか?」
「言ってないよ?
ACEなら、言わなくても気付いてるだろうし。」
確かにな。
けど、ACEはあの七人に執着している。
気付いているかどうか、本当は怪しいがな。
それに、元々俺達にも、興味は無かったのだろうし。
正直な所、ボスに認めてもらいたい、あの七人を殺りたい、それしか考えていなさそうだな。
「気付いているかも知れないが、一応言ってみれば良いんじゃないか?」
「、、、分かった。」
不満に思う事があるのだろう、納得のいっていない顔で、JACKはそれだけ言い、踵を返した。
「ま、QUEENが裏切った所で、俺は悲鳴さえ聴ければそれで良いからな。」
そう独り言を呟くと、JACKの背中を見送りながら、ニヤリと笑った。
あの七人がどうなろうと、ACEが何を思おうと、ボスがどんな事を考えていようと、俺は泣き叫び、止めてくれと懇願する姿が見たいだけだ。
痛みに耐えながら、希望を灯していた眼に、絶望が広がっていく様を見たい。
「楽しみだな。」
きっと、どっちに転がっても、俺は楽しめるだろう。
あの七人もそうだが、俺以外の四天王、特にACE。
お前達の悲鳴も聴きたいもんだな。
その想像で緩んだ口元に、手をやり隠した。
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作者名:童子 | 作成日時:2019年11月3日 17時