裏切り ページ30
俺が目を覚ましたのは、四天王からの奇襲があった三日後だった。
「あ、起きた。
どう?
まだ全身の痺れは残ってる?」
サードが俺の右手の包帯を替えながらそう聞いた。
「残ってない。」
「良かった。
JOKERさんが作った解毒剤が効いたんだね。」
包帯を替え終えたサードは立ち上がり、先程まで俺の右手に巻かれていた包帯を持って、その場を離れようとする。
「それより、あれからどうなった?
Aは?
無事か?」
「無事よ。」
俺の質問に返答したのは、此処に居るはずのないQUEENだった。
「え、何でQUEENが此処に、、、?」
「話すと長くなるけど?」
ベッドの傍に置いてある椅子に腰掛けながら、それでも聞くかと、俺に訊ねる。
QUEENとやり取りをしている間に、サードはいつの間にか、その場から姿を消していた。
「長くなっても良いから聞くに決まってる。」
「そう言うと思ってた。
じゃあ、私達が依頼された任務の内容から話すから。」
そう言って、QUEENは話し始めた。
「私達はボスにある人の護衛を頼まれたの。
貴方達がトランパーに楯突いた後にね。
その任務をしていて、新四天王はトランパーにあまり居ない日々が続いたの。」
「そのある人って?」
「私も詳しくは分からない。
取り敢えず、その問題は置いといて。
私達が任務をしている間、貴方達がトランパーの暗殺者を救出していた所為で、暗殺者の数が減ってきた事に気付き、私達、新四天王がボスに黙って、独自に調べる事になったの。」
「ボスに黙って、、、。
そんな事良いのかよ?」
「良くないよ。
けど、ボスの事を何となく、信用出来なかった、、、。」
そう言って、QUEENは俯いた。
「まぁ、良い。
調べるって、どうせ俺らがやってるって分かってたんだろ?
特に、ACEの奴が。」
「そうね。
私もそうだけど、ACEだって確信が無かったから、それを得る為に調べていたの。
まあ?
調べなくったって、どうせ貴方達の仕業だって分かってたけど?」
俯いていた顔を上げ、QUEENは苦笑いをした。
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作者名:童子 | 作成日時:2019年11月3日 17時