裏事情 ページ11
−その頃、Aが居る場所では−
｢そもそも、トランパーって一体何なの？｣
｢国の邪魔になる奴らを消す組織。｣
｢それは知ってる。
じゃなくて、もっと具体的に。
というか、何でゼロ達は裏事情があるって思ったの？｣
｢それは、、、。｣
Aの質問に対して、返す言葉が見つからない。
｢まず、トランパーの成り立ちから話そうか。｣
そう言ったJOKERさんは、ゆっくりと、Aにも分かりやすく話し始めた。
｢昔、凄腕の暗殺者が居たんだよ。
その人にはポリシーがあってね。
日本を平和にしたいと、そう思ってたんだ。
自分の様になってしまう人間を、二度と見たくない。
そう思って、平和になろうとする国の邪魔者を、消していったんだ。｣
きっと、何も知らない自分が、何も出来ない自分が嫌なのかも知れない。
だから、こんな事を聞いてきたんだろう。
そうか、そうじゃないか、Aがどう思っているかは、正直分からない。
が、JOKERさんの話を、真剣に聞いている。
｢その人の活躍は、国にも知れ渡り、同じ志を持つ人が集まり、その人を中心とした組織が創られた。
それがトランパー。
けどね、その人はある日、姿を消した。
そして、今のボス。
二代目ボスに代わったんだよ。｣
｢それが、どう裏事情と繋がるの？｣
｢トランパーの創始者は、ただ平和になって欲しかっただけなんだ。
確かに、やり方は間違っていた。
でも、二代目は違ったんだ。
創始者のように、平和を望んでいたのかも知れないが、彼女の時とは違い、やり方が百八十度変わったんだ。｣
｢やり方？｣
｢トランパーのシステム、、、って言ったら分かるかな？｣
首を振るA。
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作者名：童子 | 作成日時：2019年11月3日 17時
