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紫耀は隣で、何やら真剣に質問をして。
「あの、ウイルス性ってことは人に移る可能性もありますか?」
・「そうですね。咳やくしゃみを介して人に移る可能性があります」
「…Aは、咳はそれほどしていなかったかも。あっ、でもすごく喉が痛そうで」
・「扁桃炎は喉の奥にある扁桃腺が炎症を起こす病気なんです。なので、熱やだるさよりも喉の痛みの症状が先に出て辛くなることがあるんです」
「そうなんですね。まだこれから熱が上がったりするかもしれないってことですか?」
・「いえ、昨日の夜よりは楽になっているんですよね。であれば、あとは安静にしてれば大丈夫ですよ」
私の不安を分かっているとでも言うように、
紫耀はとても頼もしくて。
移ってないから大丈夫、もうひどくならないから大丈夫。
そう伝えてくれて。
まだ少し喉が痛くて、声を出すのが辛いってことまで、
紫耀には分かっているのかもしれない。
診察が終わり、薬をもらって病院を出る。
外の光は柔らかく、朝の冷たい空気が喉に心地よく感じた。
帰り道、歩きながら私は小さく呟く。
『紫耀……ごめんね』
「え?なにが?」
『心配かけちゃったし、その……素直になれなかったから』
『それに…紫耀にも移しちゃったかもしれないし…』
私の心配をよそに、
紫耀は軽く首を振って笑う。
その笑顔に、すごく安心できた。
「そんなことないよ。俺はずっと一緒にいたいだけだもん」
また私の手をぎゅっと握ってくれて。
その温かさに、Aの胸の奥がじんわりと満たされる。
『ありがとう……紫耀』
「いいえ笑」
二人でゆっくり歩きながら、
昨日までの痛みや不安も少しずつ薄れていく。
『やっぱり、紫耀と一緒にいると安心できる』
「…ふはっ、そっか。それは俺も一緒!」
小さな笑顔が交わされて、
ただ手をつないで歩くだけで、世界が柔らかくなる。
この瞬間が、何よりも尊くて。
どんな辛さも乗り越えられる気がした。
・
リクエストありがとうございました!
聞いたことはありましたが、詳しくは知らない病気でして…
調べながら書かせていただきました。。
更新が不規則になっており申し訳ございません。
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作者名:Pino | 作成日時:2025年10月30日 0時


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