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最初は、
ほんの少しの“お腹の張り”だった。
少しだけ胃が重たくて、寝苦しい。
冷たいものでも飲みすぎたのかな、なんて軽く考えていた。
だけど。
深夜2時をまわった頃。
唐突に、腹部の激しいきりきりとした痛みが走る。
「っ、……くそ……」
ゆっくりとベッドを抜け出して、トイレに駆け込む。
でも、それだけじゃ終わらなかった。
便座に座ったまま、
今度はこみ上げてくる強烈な吐き気。
慌てて体勢を変え、便器にしがみついて吐いた。
「…っぅ…ぉえ……おぇっ…」
酸っぱい胃液だけが、何度も込み上げてくる。
もう出るものなんてないのに。
喉が焼けるように痛くて、涙がにじむ。
頭がぐらりと揺れて、座っているのもしんどい。
背中には冷や汗が流れ、吐き気の波が落ち着くと今度はまた下痢。
……これ、やばいやつだ。
ベッドに戻るころには、
全身がだるくて、立っているのがやっとだった。
でも、Aには心配かけたくなかった。
「ちょっと冷えたっぽいだけ……」
そんなふうに笑ったけど、
ほんとは笑う元気なんてもうなかった。
それだけでAは、気づいてたんだろうな。
コップに入った水を差し出してくれたとき、あの目を見たらわかった。
やっぱ、隠しきれない……。
そう思うのに、ここまで耐えてきたプライドなのか。
Aに素直に頼ることができなかった。
それからしばらくしてまたトイレに向かうと、
Aも一緒についてきた。
体を支えようとする彼女の手を振り払えないくらい、
俺はもう力が入らない。
『……紫耀、病院行こう？』
その言葉に素直に頷けたのは…
何度もこうして手を差し伸ばしてくれるAのおかげだった。
朝一番で病院に行って。
診察の結果はウイルス性胃腸炎だった。
軽症なら数日で回復するらしいけど、
俺の場合は既に脱水が進み、かなり衰弱していたらしく。
点滴と内服治療が始まった。
点滴針が刺されるとき、思わず顔をしかめてしまう。
でも、そばでそっと手を握ってくれるAの手が温かくて、
俺はそれだけでほっとした。
自宅に戻ってからも、症状はすぐには引かなくて。
点滴を受けたから少しは楽になったけど、
倦怠感と軽い目眩が残っている。
トイレに行こうと立ち上がった瞬間…
膝が、がくんと抜ける。
「っ……！」
すぐに、壁に手をついて体を支える。
けど……次の瞬間。
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Pino(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます💕お気に入りと言っていただけて光栄です！！毎日読み返してくださっているんですか😳ありがとうございます😭 #7公開、もう少々お待ちください💦 (8月14日 17時) (
レス) id: 19cca15044 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - #6おつかれさまでした！どのお話もお気に入りです♡毎日読み返してます☺️#7も楽しみにしてます！ (8月14日 10時) (レス) id: b62c2f6570 (このIDを非表示/違反報告)
Pino(プロフ) - わんこさん» なんて嬉しいことを🥺ありがとうございます！！病気は、なかなか周りから理解が得られなかったり違う受け止められ方をされていたりすると、孤独で苦しいものだと思うので…。できる限りリアルで、正しい描写ができるように心がけています✍️ (8月10日 23時) (レス) id: 19cca15044 (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - なんでこんなにリアルに書けるんですか⁉すごすぎます！続き楽しみにしてます(^▽^)/ (8月10日 16時) (レス) id: 7371aa6456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Pino | 作成日時：2025年8月2日 23時
