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その後の血液検査と胸部レントゲン、喉の状態チェックをして。
数時間後、再び呼ばれて診察室へ。
モニターに映し出されたデータを見ながら、医師が口を開いた。
「平野さん、これは“百日咳”の可能性が高いですね」
「……百日咳？」
「はい。子どもの病気だと思われがちですが、大人でもかかります。特に大人の場合は、症状が長引いて咳が何週間も続くんです。夜間の咳、体力の消耗、そして…最近では、免疫が落ちている方にも増えています」
紫耀はAの方を見た。
彼女の目が、ほんの少し揺れていた。
『……やっぱり、ちゃんと診てもらってよかったね』
「……うん」
“風邪の延長だろう”と自分に言い聞かせていた日々。
でも本当は、どこかで“違う”って思っていた。
あんな咳、ただの風邪なわけがない。
ようやく、答えが見えたことに安堵する一方で、
「もっと早くに病院来ていればよかった」と、胸が少し痛んだ。
医師は続けて説明する。
「これから治療薬を出します。とはいえ、咳が完全に落ち着くまでには、数週間かかることもありますから……しっかりと休養をとってくださいね」
そこで初めて、俺は“休む”という言葉を真正面から受け止めた。
今までは、
「少し無理すれば大丈夫」
「明日になればマシになる」
そうやって逃げてきた。
でも…
咳が止まらず、眠れない夜が続いてようやく気づいた。
もう、自分一人の身体じゃない。
支えてくれる人がいて、心配してくれる人がいて。
だからこそ。
無理をしないことも、守るべきことの一つなんだと。
「……ちゃんと、休みます」
そう言った紫耀の声は、
これまでのどんなセリフよりも静かで、けれどどこか温かかった。
処方された薬を受け取り、病院を出ると、
Aがそっと紫耀の手を握ってくる。
『……ねぇ紫耀』
「ん？」
『私は別に、起こされてもいい。だから…ひとりで我慢しないで』
紫耀はふと笑った。
「……ほんとに、俺が起こしても怒らない？」
『怒らないよ。紫耀だけ寝不足って嫌だもん。私もお揃いのクマ作るんだから』
「お揃いって……動物じゃないんだよ？」
『知ってるよ笑 紫耀のことなでられるのは、ファンも羨ましいくらいの私の特権だからね！』
「……それ、良いの？」
『良いに決まってるじゃん！』
そんなやりとりが、
喉の痛みも、胸のつらさも、
ほんの少し和らげてくれる気がした。
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Pino(プロフ) - momoさん» コメントありがとうございます💕お気に入りと言っていただけて光栄です！！毎日読み返してくださっているんですか😳ありがとうございます😭 #7公開、もう少々お待ちください💦 (8月14日 17時) (
レス) id: 19cca15044 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - #6おつかれさまでした！どのお話もお気に入りです♡毎日読み返してます☺️#7も楽しみにしてます！ (8月14日 10時) (レス) id: b62c2f6570 (このIDを非表示/違反報告)
Pino(プロフ) - わんこさん» なんて嬉しいことを🥺ありがとうございます！！病気は、なかなか周りから理解が得られなかったり違う受け止められ方をされていたりすると、孤独で苦しいものだと思うので…。できる限りリアルで、正しい描写ができるように心がけています✍️ (8月10日 23時) (レス) id: 19cca15044 (このIDを非表示/違反報告)
わんこ - なんでこんなにリアルに書けるんですか⁉すごすぎます！続き楽しみにしてます(^▽^)/ (8月10日 16時) (レス) id: 7371aa6456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Pino | 作成日時：2025年8月2日 23時
