本が来た ページ39
あれから3日立ち、熱はやっと下がったけれど。
…あぁぁ、ヒマ。ヒマで仕方ない。
ニュート曰く、熱は下がったけれど、まだ安静にして欲しいとのこと。私にとって1番の安静は本を読むことなのに、本も取り上げられてしまったし、やることがない。
なら、本を持ってこればいいじゃないかと思うだろうが、無理だ。ニュートは餌をやりにトランクの中に行っているが、部屋にはニュートが私の見張り役に置いていったピケットがいる。ピケットとニュートは繋がっているも同然なので、下手に動いたらニュートに報告されて、怒られる危険性が高い。
…ヒマだ。ヒマだ。ヒマだ。
『ピケット…ヒマだね…』
ピケット「☆□◆○」
ちなみに、ピケットは今少し機嫌が悪い。なぜなら、本当はニュートと一緒にトランクの中に行きたかったのに、ニュートによって私の見張り役にされたからだ。
…あぁ、ヒマだ。ヒマだ。本が欲しい。本が欲しい。本を寄越せ。本を寄越せ…！アクシオ！アクシオ！本よ、こい！アクシオ！アクシオ！
心の中で叫んでいると、いきなりドアを突き破って本が勢いよく飛び込んできた。
『…嘘でしょ…？』
…私、無言呪文出来たんだ…。
心の中で叫んだけれど、まさか本当に本が来るとは思わなかった。とはいえ、本が来たのだ。ずっと待ち望んでいた本が来たのだ。
…これは読むしかないでしょ！
私はパラりと本をめくる。ピケットがキーキーと騒いでいたが、しばらくすると諦めたのか何も言わなくなった。
＼コツコツ… ／
『！！』
ニュートの足音を聞き取って、私は慌てて本を閉じて枕の下にいれ、突っ伏した。
ニュート「なんでドアに穴が空いてるんだろ…。…あ、寝てる。ピケット、Aは大人しくしてた？」
ピケット「♪☆●▽」
ニュート「見張りありがとう。…ドアに穴が空いてるんだけど…これはA…？」
ピケット「◆◎□☆！」
ニュート「ふーん。…こら！A！」
『すー…すー… 』
慌てて寝息を立てる。
ニュート「こら、寝たフリしないで。A！」
『んぁ…にゅーと…なに…？』
寝ぼけたような声を出す。
ニュート「なに、じゃない。これ、見て！」
『あー…どあ…？こわれてる……』
ニュート「Aがやったの？」
『しらない…おやすみ…』
私は枕に頭を押し付ける。しばらくすると、ため息と共にニュートが出ていった音が聞こえたため、また枕の下から本を取り出して、読み始めた。
ベッドでの本の隠し場所＝枕の下。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リサ - こんばんわ。いつもこの小説を読んでいます。次も楽しみです。闇落ちの方を読んでみたいです。 (9月8日 0時) (
レス) @page28 id: ebda27dca2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - みかんさん» コメント有難う御座います。作品を楽しんで頂けて、とても嬉しいです。闇堕ちですね。有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると嬉しいです。 (2019年9月4日 16時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
みかん - こんにちは。いつもこの小説を楽しみにしています。闇落ちのほうを読んでみたいです！楽しみにしています！！ (2019年9月3日 12時) (レス) id: 10b371d446 (このIDを非表示/違反報告)
ルイーザ(プロフ) - きなこさん» 返信遅くなり申し訳ないです。コメント有難う御座います。そう言って下さり、とても嬉しいです。闇堕ちありですね、有難う御座いました。拙い文章ですが、これからも楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年8月29日 8時) (レス) id: 4a1e9af14b (このIDを非表示/違反報告)
きなこ(プロフ) - はじめまして、こんにちは！！この作品がとても好きなので、いつも楽しみにしてます♪私的には闇落ちルートありだと思います！！これからも楽しみにしてますね。 (2019年8月28日 9時) (レス) id: 5408dae180 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルイーザ | 作成日時：2019年7月6日 8時
