二度目まして ページ9
あれから頭を支配するのは、同窓会。
沙羅ちゃんは、他のクラスからも可愛いって評判だった。
よくあるよね。
同窓会で再会して、お互い熱が戻って……、
そうなったとしても、私がとやかく言う資格なんてないんだけど…。
確か、千冬がフラれたんだよね…。
「帰ろ…」
気付けば社内の明かりはほとんど消えていた。
この暗い空間が、ネガティブな思考を巡らせるんだ。
残業続きで疲れてるんだ！うん！そうだ！
とは思いつつ……、
電車に揺られながら
同窓会の二次会で、いそいそ二人で抜ける姿を想像して落胆。
「行くのやめようかな…」
「どこに？」
「ぎゃああ！」
最寄り駅について、一人呟いた瞬間、
後ろからニョキッと男の人が現れた。
「ぎゃああってA色気ないなぁ」
「一虎さん！」
「覚えててくれたんだね」
「もちろんです！」
良かった、知り合いだった。
夜道にこれは心臓に悪いぞ。
この可愛い笑顔を見たら、そんな事どうでも良くなるんだけどね。
「今帰り？」
「はい！残業で」
「そっか、飯でもど？」
「お腹ペコペコです！」
「ハハッ、おすすめの店あるよ」
一人暮らしには
誰かとご飯を食べれる事が何より嬉しい。
これはきっと、仕事を頑張った私に神様がご褒美をくれたんだ！
一虎さん行きつけの大衆居酒屋。
ご夫婦でやられているお店で、THE老舗って感じ。
「そういえば、どっか行こうとしてた？」
「今日ですか？」
「うん、行くのやめるとか言ってたじゃん」
枝豆を食べて、ビールをぐびーっと飲み干しおかわりを頼んでる。
あ、私のも頼んでくれた！やっぱり良い人だ！
「あー…、それ同窓会です」
「えー！行きなよ！楽しそうじゃん」
「いや…、あっ、ありがとうございます」
二杯目のビールを手渡され
ほんの少し触れた指に、ドキリとした。
「千冬も行くの？」
「はい…」
「二人仲良いんだろ？」
「私は良いと思ってますけど…」
「一緒に行けばいいじゃん」
「そう…、ですね！」
「それとも、」
りん、と鈴の音を鳴らして
カウンターに頬杖をつき微笑んだ。
「行きたくない理由が千冬？」
何もかも見透かされそうで、心臓が嫌な音を立てる。
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えりちゃん - はじめまして！千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (
レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ？ - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜( ;ᯅ; )matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております！でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 初コメ失礼します ! matsuriさんの作品、とても大好きで毎日読んでいます。今回の作品も最高で更新されるたびわくわくしながら読んでいました。この度は完結おめでとうございます！次回作もあらすじ読んだだけでもうすっごく楽しみです！暑いので体調にはお気をつけて！ (2022年7月6日 1時) (レス) @page50 id: d402d271eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2022年5月23日 18時
