残された時間 ページ32
「一虎さんが代わりに福岡行ってよ…」
ペットショップの従業員休憩スペースにて。
千冬の仕事が終わるのを、お茶を飲みながら待機。
パソコンをいじる一虎さんに無謀なお願い。
「博多弁いいね〜」
「可愛いですよね方言」
「Aはずっと東京？」
「ハイ！」
宣言通り、あれから毎日千冬と一緒。
寝る時間でさえ惜しくて、無駄に夜更かししたりしてる。
あと何日ってカウントダウンに追われながら。
「一年なんてあっという間だよ」
「そうですかね…」
「ハハハ！すっげぇ寂しそ」
「千冬と一年も会わない事なかったですもん…」
机にベターっとほっぺをくっつけ、だらん。
「A溶けてなくなりそう〜」って、一虎さんが笑ってる。
「千冬も相当寂しがってるよ」
「……絶対私のが寂しがってます」
「俺のが寂しがってるわ！」
私と目線を合わせて、腰を曲げてる。
突然目の前に現れた千冬の顔に、つい顔が綻ぶ。
「終わった？」
「うん、帰ろっか」
一虎さんに戸締りを頼んで、お店を出た。
ご飯何食べようかって、手を繋いでスーパーへ。
買い物をして帰るのが、日課になっている。
「あと一週間だね」
「そうだな」
楽しい時間は一瞬で過ぎ去る。
千冬がいない一年は、きっと十年に感じるだろうな。
「日曜空港まで送る」
「仕事は？」
「抜けるって言ってある」
「そっか…、ありがとう」
刻一刻と迫る別れに、お互い口数が減ったように思う。
その分、ピッタリくっついてる事が多くなった。
今は千冬の体温を感じずに
眠れる自信すらない…。
「福岡のお土産何がいー？」
「博多美人」
「がんばってナンパしてみるわ」
「嘘だバカ」
あははって笑って、いじっていた携帯を枕元に置いた。
鏡越しに目が合えば、「おいで」って自分の隣をポンポン叩いてる。
「何してんの？」
「寝る前のスキンケア」
「女は大変だな」
よし、っと千冬の隣に潜り込めば
私を見下ろして、頬をするんと撫でる温かい手。
「これ以上綺麗になられちゃ困る」
「彼女が綺麗な方が良くない？」
「俺の目の届くとこにいねぇのに？」
「毎日テレビ電話するよ！」
「電話じゃ守れねぇだろ」
この一ヶ月で、千冬にキュン死させられまくりだ！
「夜道歩くんじゃねぇぞ」
「き、きをつける！」
「そこは、ハイ！だろ」
「ハイ！」
お利口さん。
そう言って、深い口づけと共に
私の身体をベッドへ、深く深く沈めた。
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えりちゃん - はじめまして！千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (
レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ？ - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜( ;ᯅ; )matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております！でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 初コメ失礼します ! matsuriさんの作品、とても大好きで毎日読んでいます。今回の作品も最高で更新されるたびわくわくしながら読んでいました。この度は完結おめでとうございます！次回作もあらすじ読んだだけでもうすっごく楽しみです！暑いので体調にはお気をつけて！ (2022年7月6日 1時) (レス) @page50 id: d402d271eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2022年5月23日 18時
