初めての朝 ページ26
眩しい日差しで目が覚めた。
隣には、半裸で眠る愛しい人。
昨日、「十年分、愛すから覚悟してな」って言われて、
プルプル震える私を見て、「ごめん嘘だよ、優しくする」って笑った。
言った通り、まるで壊れ物を扱うかのように私に触れる。
久しぶりだったから少し痛みがあって
思わず顔を歪めてしまえば、「もう少しゆっくりするね」って、
もう一度慣らし直してくれて、羞恥でどうにかなりそう今でも。
この歳で痛いとか……、はあ…。
とりあえず、顔洗って、朝ごはんでも作ろ。
「わわわ！」
「……んー…、どこいくの」
「朝ごはん食べるでしょ？」
「……たべる」
掴まれた腕。
昨日この逞しい腕に抱かれたんだ。あわわ
寝起きの話し方が、舌足らずで可愛い。
「寝てていいよ」
「待って」
「えっ、わわっ！」
「もう少し寝ようぜ、一緒に」
私をぎゅうぎゅうに抱きしめて
おでこにチュッとキスをした。
甘い。千冬が激甘だ。溶けそう、マジで。
ていうか、心臓飛び出そう…！
「身体大丈夫？」
「……う、うん！」
その話題は避けたい。
いい歳した女が、痛がるなんて幻滅するよね？
言い方を変えれば、もっと激しくしたかった、って千冬も思うよね？
経験人数なんて、指を折り返さないし、
テクニックなんか全くないし、
千冬は、、あんなので満足出来たんだろうか…。
「良かった…」
「えっ？良かった！？」
「ん？身体大丈夫なんだよな？」
そっちかーーーい！
いやそりゃそうだ…！
今、私の身体を気遣った話題だったもんね。あわわ
余計な事考えるな！私…！
「あっ、うん！大丈夫！」
「朝から元気だなぁ」
私の髪の毛を一束摘まんで、わしゃわしゃ鼻に滑らせる。
「くすぐったいー」って笑う幸せな朝。
「Aの髪すき」
「初めて言われたそんな事」
「綺麗だよな」
千冬の指が私の髪をスーッと梳く。
この何気ない日常は、私達がずっと欲してたものだ。
視線が髪から私に向けられて、近づく整った顔に目を閉じた。
が、そこに鳴り響く着信音。
千冬の動きがピタッと止まって、二人で照れ笑い。
「Aの携帯じゃね？」
「ごめんね」
「いいよ、出な」
「す、すぐ終わらせるから！」
私の頭をふわり撫でる優しい彼氏。
サイドテーブルに手を伸ばし
相手を確認せずに、電話に出てしまった。
「もしも、」
「A！」
「一虎くん！」
千冬の眉間に皺が…。
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えりちゃん - はじめまして！千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (6月5日 9時) (
レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ？ - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜( ;ᯅ; )matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃみさん(プロフ) - 本当にいつもどの作品もmatsuriさまのは素晴らしいです。もう素敵すぎて逆にしんどいです笑 三ツ谷読みたいので、次作楽しみにしております！でもたまに灰谷兄弟の更新もお願いします笑 (2022年7月7日 13時) (レス) @page50 id: e87bae8502 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 初コメ失礼します ! matsuriさんの作品、とても大好きで毎日読んでいます。今回の作品も最高で更新されるたびわくわくしながら読んでいました。この度は完結おめでとうございます！次回作もあらすじ読んだだけでもうすっごく楽しみです！暑いので体調にはお気をつけて！ (2022年7月6日 1時) (レス) @page50 id: d402d271eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：matsuri
| 作成日時：2022年5月23日 18時
