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私だけの王子様 ページ47

「わた、わたし頑張った…!」
「知らない土地でな?偉いよ」
「千冬がいなくても、頑張った…」
「うん、お利口さん」




違う違う!
こんな事が言いたいんじゃないのに…ッ!




「えっと…、」
「目移りはしませんでしたか?」
「……へっ?」
「お仕事頑張って、目移りもしてなかったら、もっと褒めてやるのに」




私の頭をなでなでしながら
耳元で、クスクス笑う声がする。


……ずるいな、千冬には全部お見通しなんだ。




「……し、てない…」
「世界一お利口じゃん!ご褒美あげないと!」
「何くれるの…」
「何が欲しいの?Aの欲しいモン何でもやるよ」




バカにしたような言い方から一変、あまーい声が。


こんなの独り占めしたくなるに決まってるじゃん。
他の子にそんな優しく囁きかけてほしくない。
私だけの…、って、自分から手放したくせに何言ってるんだろ…。




「また余計な事考えてんだろ」
「そんな事ない…」
「俺が会いに来なかったら、帰って来た事すら教えなかったくせに」
「……何でもくれるの?」
「やるよ、お前の為なら何でも」




遠慮気味に千冬の背中に腕を回せば
更に力強く抱きしめられた。


本当に、何でもくれるなら私は…、




「千冬の気持ちが欲しい」
「うん、俺の全部Aにあげる」
「独り占めしたくて…、私だけの千冬がいい…」
「Aだけの俺でいるよ、ずっと」




ゆっくり離された体。
綺麗なグリーンの瞳が私を捉えて、おでこがコツンと合わさった。




「もう不安にさせたりしない、絶対」
「うん…」
「だから、これ受け取って」
「……え、」




千冬の手のひらに置かれた鍵。
忘れもしない。帰って来たら一緒に住もって…っ。
私がいれば、毎日がご褒美だって…っ。




「俺も目移りしなかったから、ご褒美もらえる?」
「……もらえるよ…っ」




すると、私の手を握って跪いた。
その姿は、まさに絵本から飛び出た王子様みたい。




「Aの事一生守るから…、俺の彼女になってください」




鍵を受け取り何度も頷いた。
涙が溢れてどうしようもなくて、そんな私を見て優しく微笑む千冬。


立ち上がり、「もう二度と離さない」って唇が重なった。
目が合って、照れ笑いして、ハッとした。




「0時過ぎちゃう!」
「は!?何急に!お前はシンデレラかよ」
「ちがっ!だって、電車なくなっちゃう!」
「……ハァ」




呆れたように溜息をついて、「バカ」って私の頭をコツいた。

ツンデレラ→←一年ぶりの



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mitsu_bsd(プロフ) - 最高です涙腺崩壊しましたㅜ ㅜ最後まで書いてくださり有難う御座います🙏🏻 (2025年1月29日 14時) (レス) @page48 id: 370f06ea8e (このIDを非表示/違反報告)
みい - 面白かったです! (2024年5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (2023年6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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