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幸せとは ページ39

余計な事を考えないように、仕事に打ち込んだ。



ラストの訪問先を出て携帯を見れば
宮田くんから、お店のURLが送られてきていた。




「ごめん!遅くなった!」
「全然大丈夫ッスよ」




メニューを見ながら
これがこうでって、色々説明してくれて、
「美味しそう」そう笑った私に、宮田くんも優しく笑った。




「グルメなんだね」
「福岡は美味いもんたくさんありますから」
「一年間いっぱい食べて帰らないと!」
「……あぁそっか、一年だけなンスよね」




宮田くんが眉を下げて、しゅんとしてる。
まさに子犬。年下男子可愛いな!おい!




「ずっと福岡にいてほしいです」
「嬉しいなぁ、ありがと」
「Aさん」
「ん?」




さっきまでの子犬が嘘のように、男の顔した宮田くんがいて。




「俺が好きだって言ったら迷惑ですか」
「どういう意味…?」
「上司じゃなく、女性として」
「……あっ、えっと…、」




待って待って。
恋愛初心者の私にはハードルが高すぎる。




「彼氏いるから…」
「知ってます」
「迷惑っていうか、気持ちには応えられ、」
「近くにいる内に振り向かせてみせます」




あれれ。
こんなに漢らしい子だったっけ…?

何も言えず固まる私に、「鍋食べて下さい!」っていつも通りに笑った。




「あの、宮田くん、」
「今幸せですか?」




思わず言葉に詰まる。


どうして幸せだ!って、すぐに言えないんだろ。
十年思い続けた人の彼女になれたのに。




「……幸せだよ」
「嘘、」
「嘘じゃ、」
「俺ならいつも傍にいられます」




いつも傍に……か。


もし今、千冬がこの言葉を可愛い女の子にかけられたら何て言うんだろう。


遠くの女より、近くの女。
嫌な思考が頭を支配して、眩暈がする。




「急にすみません…」
「……本当にね」
「でも本気なんで!」
「……千冬が好きだよ、私は」




それはまるで呪文のように。


自分に言い聞かせるように放った言葉だった。

第六感→←心の距離



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mitsu_bsd(プロフ) - 最高です涙腺崩壊しましたㅜ ㅜ最後まで書いてくださり有難う御座います🙏🏻 (2025年1月29日 14時) (レス) @page48 id: 370f06ea8e (このIDを非表示/違反報告)
みい - 面白かったです! (2024年5月1日 14時) (レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (2023年6月5日 9時) (レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜‪( ;ᯅ; )‬matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:matsuri | 作成日時:2022年5月23日 18時

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