取り繕う難しさ ページ37
周りから聞こえる楽しそうな声。
「え!A!?」
返せ!って、千冬の焦った声が聞こえてきた。
「もしもし!!」
「あっ、ち…ふゆ?」
「ごめん!今タケミっち達と飲んでて、」
「だだ、だいじょぶ!私こそしつこくごめん!」
「待って!最後まで聞いて!」
「さ、さっき無事家着きました!の報告だけだから!」
「A聞いて!」
深呼吸深呼吸。
落ち着け私。
「き、きいてるよ!」
「みんな結構酔っ払っててさ、山岸達が隣の席の女の子達に絡み始めて、」
「た、いへんだね!千冬!」
「それで、タケミっちが潰れて介抱してて、」
「うんうん!」
「女の子達も結構酔ってて…勝手に電話出られて…ごめんな?」
「平気だよ!」
出来るだけ、明るく元気に…。
友人との楽しい時間に、水を差すような事はしたくない…。
「マジで何もないから!俺はAだけだから!」
「いきなり愛の告白!」
「茶化すなバカ!」
「ちふゆくん」って、女の子の舌足らずな声が聞こえて来た。
声のボリューム的に
結構な至近距離にいると思う。
今の情緒では、受け止める事が出来ない…。
「さっ!飲み疲れたし私はそろそろ寝るかなー!」
「待って!」
「ん?」
「顔見たい」
鼻の奥がつんとなって、なんか泣きそうだ。
だけど、
ここでテレビ電話に切り替えなかったら
コイツやっぱ女の事気にしてんじゃねぇかって、思われちゃうよね…?
「すっぴんぶさいくー!とか言わないでね」
「言わねぇよ、早く」
急かすように、食い気味で言われ、
震える指先で、画面を切り替えた。
千冬が映し出された瞬間、笑顔で手を振る。
「やっぱり」
「ん?」
手も振り返さず、
悲しそうな顔で、私を見つめてる。
「泣きそうな顔してる」
「私が…?」
「そうだよ」
「そんな事ないよ?あくびしたからかな…?」
早く電話を切りたい。
千冬にすべてを見透かされそうで。
面倒だとか、重い女とか嫉妬深いとか思われたくない…ッ。
「違う、俺のせい」
「な、なに言って、」
「不安にさせるような事してごめん…」
「大丈夫だって!ほら、早く戻りな!」
「もう帰るよ」
「そっか!私は睡魔が限界だから、もう切るね!」
「わかった」
「おやすみ、千冬」
「明日また、連絡するな?おやすみ」
体の力が抜けて、携帯を持っていた腕がだらんと落ちる。
どうして千冬と話すのに
こんなに緊張してるんだろ、彼氏なのに…。
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mitsu_bsd(プロフ) - 最高です涙腺崩壊しましたㅜ ㅜ最後まで書いてくださり有難う御座います🙏🏻 (2025年1月29日 14時) (
レス) @page48 id: 370f06ea8e (このIDを非表示/違反報告)
みい - 面白かったです! (2024年5月1日 14時) (
レス) @page50 id: 957bb83be5 (このIDを非表示/違反報告)
えりちゃん - はじめまして!千冬の小説の中でいちばん大好きです♡︎ʾʾ (2023年6月5日 9時) (
レス) @page50 id: 84c92b84c7 (このIDを非表示/違反報告)
いぬ? - ずっと泣いてました。涙腺しにました。千冬くんのこともっと好きになりました。 (2022年11月5日 12時) (
レス) @page50 id: dc4cbab92b (このIDを非表示/違反報告)
華ノ子(プロフ) - 泣きました〜( ;ᯅ; )matsuriさんの作品本当に好きです… (2022年7月29日 2時) (
レス) @page50 id: 71c3cf5627 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:matsuri
| 作成日時:2022年5月23日 18時


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