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てか薔薇を持ち込むのはいいけど、散らした後はちゃんと片付けろよな、日々樹先輩。あれ、掃除するの意外と大変なんだぞ。…まあ俺のそんな抗議の気持ちが日々樹先輩に伝わることもなく、またこの奇人の先輩は奇行を続ける。
渉「受け取ってください、私からあなたへ愛の印です☆」
A「うわあああああ!!?」
正直言って要らない薔薇を手で渡されるのはまだしも、俺が今目の前で見ている光景は、日々樹先輩の髪の毛がウネウネ動いて…薔薇を持っている。
どういう原理なのか全くわからないが、とりあえず怖いのでやめて欲しい、心臓に悪い。これを受け入れられる人は一体いるのだろうか。というか生徒会のメンバーと仙石くん、見てないで助けて!?
お世辞にもあまり広いとはいえない生徒会室の中を、逃げられる範囲で逃げまくる。
A「ひ、姫宮くんっ!!」
桃李「うわあああ、こっち来ないでよバカA!」
本当は蓮巳先輩の元へ逃げたかったが、そこには不運な事に日々樹先輩がいて無理だった。蓮巳先輩も蓮巳先輩で、何徹もして疲れているのか、多分心を無にして全く止めてくれない。天祥院先輩へは怖いからパス。仙石くんは俺を置いてでもいいから逃げてくれ。
色々考えた結果、近くにいた姫宮くんの元へと逃げた。
渉「姫君の後ろに隠れても無駄ですよっ、Aくん」
A「こ、こっちに来るな……来ないでください!」
俺が姫宮くんの後ろに隠れた最大の理由は伏見くんだ。
とてつもなく情けないが、姫宮くんを巻き込めば伏見くんが助けてくれると思ったのだ。その伏見くんを探して姫宮くんは生徒会室内をキョロキョロと見渡す。が。
桃李「ゆ、弓弦…!なんでこういう時に限っていないの!?」
A「えっっっ」
ご主人様が大変な時にいないなんてあいつは〜っ!と嘆く姫宮くんと、伏見くんという希望がまさかの不在で絶望する俺。
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グイッ
桃李「…Aっ、逃げるよっ!!」
A「お、おう!?」
突然姫宮くんに手を取られ、一緒に生徒会室を出た。
その後近くの空き教室に隠れたが、日々樹先輩に遭遇することはなかった。諦めたのだろうか。意外だ。
どっちにしろ、姫宮くんと俺に何も無くてよかった。
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ねーむ(プロフ) - 結さん» ありがとうございます! (2021年8月9日 1時) (レス) id: 4cddb094d7 (このIDを非表示/違反報告)
結 - 更新待ってます!頑張って下さい! (2021年8月6日 20時) (レス) id: de81aa094a (このIDを非表示/違反報告)
ねーむ(プロフ) - Ryuanoさん» 更新頻度低くてすみません…!頑張って更新しますのでしばしお待ちください!! (2021年8月4日 20時) (レス) id: 4cddb094d7 (このIDを非表示/違反報告)
ねむねこ(プロフ) - いおりさん» わあああ、いおりさん、ありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しいです!!なるべく早く更新できるよう頑張っていくので、これからもよろしくお願いします!! (2020年9月4日 16時) (レス) id: ab2f19c22b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 続編も続きが欲しくなるはいり!これからも更新、頑張ってください!! (2020年9月3日 21時) (レス) id: 8bb283158d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねーむ | 作成日時:2020年9月3日 17時