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道化師の隠した本音 ページ9

彼女の所へ向かって走り去って行ったフョードルを見送ったゴーゴリは、顔を歪めた。
「ドス君...」
彼の名を呼び掛けるが、其の声は居ない本人に届くことは無かった。溜息を一つ吐き出したゴーゴリは、思った。
如何してこんな風になってしまったのか、如何して…...同じ人を好きになってしまったのか。
彼もまた、フョードルと同様に彼女に恋心を抱いて居たのだった。
「僕も彼女のことが.......」
ゴーゴリは、云いかけて止めた。

"好きなのに"

ただ純粋に彼女を想って居るからこそ、彼は口に出すことが出来なかった。彼もただおどけて居る訳では無かった、口に出したらフョードルも彼女も困らせてしまうと判って居たからこそ、口を噤んだのだった。
...其れに、云ってしまったら抑え込んでいた気持ちを二度と抑えられなくなる気がしていた彼は本音を隠した。
「ドス君も...彼女も...大切だから、僕は隠すよ。だから、幸せになってね.....」
そう呟く彼は、何処か寂しげで哀しそうだった。

彼は、決意をした。
...─道化師として、自身の気持ちを偽る─と...

唯一の理解者であるフョードルと彼女を困らせない為に...

彼は空を仰ぎ、願った。
───二人が幸せになりますように───、と。

自覚と秘密→←感情の名



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猫袮(プロフ) - 朱鷺の砂さん» ありがとうございます! (2018年9月16日 10時) (レス) id: ee976ad875 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - すごく面白いです!続きが気になります!更新頑張ってください…応援してます!! (2018年9月8日 21時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
猫袮(プロフ) - Tsuki☆さん» マジすか、有難う御座います(´;ω;`) (2018年8月29日 17時) (レス) id: ee976ad875 (このIDを非表示/違反報告)
Tsuki☆(プロフ) - ひぇぇ、ゴードス可愛い有難うございます(´;ω;`) (2018年8月29日 16時) (レス) id: 36c9c3900e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫袮 | 作成日時:2018年7月17日 21時

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