一問一答、一目惚れ。【荒北靖友】

　俺が答えます ページ21

昼休み、昼食も終わり職員室に向かい歩いている時だった。背後から視線を感じ振り返ると佐藤さんがこちらを見ていた。食堂で靖友に話しかけに来ても、一言二言会話を交わすとすぐに席へと戻って行ってしまうので、いつも話しかけるタイミングを見失っていたので、今がその時と話しかけてみることにした。


　「あれ、君佐藤さん？」
　「荒北さんと一緒にお昼食べてる……」
　「そうそう、新開隼人。よろしく」
　「新開さん。ああ、猫目が言ってた」
　「猫目？ 誰？」


自分で言うのも何だが、それなりに目立つ風貌をしている自分がまさかそんなうっすらとした印象でしかなかったことに驚いた。佐藤さんの目にはどうやら靖友しか映ってないらしい。


　「あの、つかぬ事をお伺いしますが、新開さんは荒北さんと仲がいいんですよね」
　「そんなかしこまらなくていいのに。ああ、仲いいよ。どうして？」
　「荒北さんの好きなタイプとかってご存じですか？」
　「好きなタイプかぁ……」


と、ここで予想外の質問をされた。靖友のタイプ。自分のタイプを聞かれることは多々あれど、靖友のタイプを聞かれたのは初めてに等しかった。思わず考え込む。


　「わがままな子とかじゃないか？」
　「わがままな子」
　「ほら、靖友って妹居るだろ？ だからか結構面倒見良いんだよな」
　「なるほど」
　「ちなみに俺はおっとりしてる子がタイプだ」
　「じゃあ猫目駄目ですね」
　「はは、誰？」


脳みそをフル活用してなんとか正解を導き出す。佐藤さん、さっきからその猫目って誰なんだ？



・・・



　「……何話してたんだヨ」
　「なんだ靖友見てたのか」


話しかけてくればよかったのに。そう言って靖友を見るとなぜか無言で睨まれてしまった。


　「タイプの話をしてたんだ」
　「あ？ タイプ？」
　「そう。靖友はわがままな子が好きだって言っといたぜ」
　「ハァ！？ 何余計なこと言ってんだよテメェは！」


靖友がそう声を荒げると、タイミングよく本鈴のチャイムが鳴った。

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ラッキーカラー

あずきいろ

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