178cm63kgetc. ページ15
今朝は上々。中々身体の調子がいい。
身長に対して軽い体重に、つかない脂肪。体脂肪率は驚きの1桁。そんな俺は体調のいい日があまりない。そんな貴重な1日が、たまたま今日だった。
「靖友、おめさん今日調子いいな」
「まァね」
「ム、なんだ荒北タイム縮んでるではないか! 誇れよ!」
「ッセ褒めんな」
朝練終わりの部室、着替える前にタイムを記入する。後ろから覗き込んでくる新開に東堂。早く着替えろヨ。と言いたいところだが俺も着替えてないので強く言えない。
・・・
昼休み。福チャンと一緒に食堂へ行く。先に東堂が座っていてパスタを食べながら"巻ちゃん"へ電話している。
「それではな! 髪ちゃんと乾かすんだぞ。まだ夜は肌寒いからな〜風邪をひかぬように! ちゃんとご飯食べろよ! 巻ちゃんは直ぐにご飯を抜くか……あ、切られた」
「バァカおめェ切るまでが長ェんだよ」
「東堂。ご飯を食べながら電話するのは良くない」
無慈悲に電話を切られて落ち込み気味の東堂に追い打ちをかける。まさか福チャンまで乗ってくるとは思わなかったが。
「荒北さ〜ん」
佐藤が来た。女の名前、佐藤って言うらしい。アイツは俺に色々聞くけどそういや俺は名前も知らねェな。と、思った。
「ン」
もはや昼休みのお決まりの光景となってきた佐藤の登場。最初は冷やかしていた東堂や新開も何も言わなくなった。
「荒北さん、身長と体重教えてください」
「ハァ? なんで」
「いいじゃないですか、減るもんじゃないですし」
なんだ、意外に馴染むもんだ。と考えていたら素っ頓狂な質問をされる。しかも示し合わせたかのように今朝、新開と保健室でノリで身長体重を測った後だった。
佐藤は減るもんじゃないと言うが、俺からしたら何かを失っているような気がする。……もやもやと考えていると佐藤が一言。
「……軽くないですか……?」
別に軽くなりたくて軽いわけじゃない。ちゃんと飯は食ってるし栄養は足りてるはず。
「いや、ちょっと荒北さんって体脂肪率とか……」
「……ンなことまで聞くのォ? 1桁だけど……」
なんでそんなこと聞くンだよ……。至極真っ当な疑問だと思った。
「……お身体大切になさってくださいね……」
そう言って退散する佐藤。去ってく後ろ姿を見て思う。俺だけいつも教えてンの、なんか不公平じゃナイ? 次、佐藤が来た時は俺も何か聞いてやろうと思った。
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しばた - 続きお願いします! (7月18日 16時) (レス) @page33 id: 1b4d124720 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - ひー&ラテさん» 何故かまた閲覧数が伸びてきているのでやれるだけやってみます……(. . `) (2021年8月12日 17時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
ひー&ラテ - 続きが凄く気になります! (2021年8月12日 8時) (レス) id: fe37a82818 (このIDを非表示/違反報告)
敏腕プロデューサー(プロフ) - 桜音姫さん» 楽しみにしてくださっていたのに大変申し訳ございません……(. . `) (2021年8月12日 4時) (レス) id: fcb79e9045 (このIDを非表示/違反報告)
桜音姫(プロフ) - もう少しで完結しそうなので完結までいってほしかったのですが残念です(^_^;) (2021年8月11日 19時) (レス) id: 3bb8706b83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳥居巫女 | 作成日時:2020年2月12日 2時