鬼神と人喰い鬼と鬼殺隊

◇(５) ページ10

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「此方が藤の間でございます」

「寝床をお引きします」



「 あぁ、寝床は自分でやろう 」

「そうですか」

「分かりました」





二人の子供に案内された先は、
話に聞いた通り四方を藤の花に囲まれた屋敷だった。


紫の花が垂れ(しだれ)、美しく咲いている。






「 女子(おなご)の夜更かしは良くない。
さぁ、もうお戻り。帰ってしっかり寝るんだよ 」

「はい」


「 おやすみ、可愛い子達 」

「お休みなさいませ」

「お休みなさい、A様」






和室の隅に荷物を置き、自室へ戻る子供達を見送る。

横に並んだ時は小さく見えた彼女達の後ろ姿は
どうしてだか大きく見えた。



"戦い"を背負う者の生き方なのだろうか。





あんなにも幼いのに。
自分達が置かれた立場を理解している。






「 ...人間は不思議で面白いよ、鬼灯 」





彼は今頃、地獄で閻魔の尻を叩いている頃だろう。

あの体たらくめ。
直ぐにダラけるのがあれの悪い所だ。






「 さてと 」






朝は近い。数刻もすれば日が昇る筈だ。
鬼の活動が一旦終わり、瞬きの平穏が訪れる。






「 明日から忙しくなるな 」






鬼の根源を地獄へ連れるとなれば、
先ずはそれに近い者を探さねばいけない。


少しでも早く根源を滅する為に休息は御預けだ。






それから、"これ"も早く仕上げなければ。









原案書



現世において鬼となった人間の処遇について



･･･

･･･

･･･



以上の事から以下の原案を提出す



彼の者達を生鬼と表記

等活地獄に新たな部署を設立
後に収容とする




原案者 A









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