◇鬼は鬼でも ページ14
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あれから数日が経った。
"地獄"の鬼だと伝えたが信じている者が
はたしてどの程度いるのか。
額に痣のある彼と、その横にいた黄色い髪の子は
なんとなく他とは違うかもしれないが。
柱と呼ばれる九人は完全に敵だと思っているらしい。
今日もほら、藤の間に刃が向く。
「 やれやれ...余裕の無い人間達だな。
御前達の敵は私では無いだろうに 」
頭では理解していても、心が追い付かないのだろう。
突然目の前に現れた存在が鬼であり、
しかし"地獄"から来たと言われれば混乱もする。
同時に困惑もするかもしれない。
それでも、柔軟性を持たなければ。
鬼殺隊の"柱"であるならば、
時と場合によって使える駒は揃えておくべきだ。
「ご、」
「 ...おや? 」
「ごめんくださぁぁぁい!!」
「ちょ!炭治郎、本当に会うのぉぉぉ!?
帰ろうよ!怒られるかもしれないし!!ね!
というか食べられたらどうするんだよ!!」
「おい、紋次郎!何処だ此処!!」
「うるさいぞ、二人とも!迷惑になるだろう!」
聞こえる声は三つ。二つは聞き覚えがある。
あの時、あの場にいた少年の声だ。
もう一つは知らない。が、何というか。
言うなれば、荒々しい。
「何で着いて来たんだ!」
「炭治郎が何処かに行こうとするからだろ!」
「俺は一人で行くって言っただろ、善逸」
「そうだけども!でもさ!でもさ〜」
「 あー何でもいいが、門先で騒ぐのはやめてくれないか 」
「ぎゃああああああ!出たぁぁ!!!」
出たとは失礼な。私は最初から君達の後ろ側にいたよ。
泣き叫び痣の彼にしがみつく黄色い髪の少年と、
何故か私に威嚇する猪の少年。
若芽の青い匂いがする。
「何だお前!何時からそこにいたんだ!」
「 君達が此処へ来た時からずっと 」
「どうやった!」
「 ...説明が面倒だから省くが、
永く生きていると色々出来るもんだよ 」
というか君は何故、その頭を被ってるんだ。
「...お!俺は!」
「 ! はい? 」
「俺は竈門炭治郎です!」
「 あ、あぁ、はい。Aです 」
「聞きたいことがあって来ました!」
その少年は何処か息子(仮)に似ていた。
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まゆゆ(プロフ) - すっごく面白いです! (2021年6月19日 0時) (レス) id: b7969430ca (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり四つ葉 - ドストライクです。更新頑張ってください! (2020年9月2日 19時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい! (2020年8月14日 8時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
青春を返せ(プロフ) - うわああああ!!この作品めっちゃ好きです!続きが気になる〜!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月18日 17時) (レス) id: f38cd6c1be (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 頑張って下さい! 応援してます! (2020年5月17日 22時) (レス) id: f273bc5d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M子 | 作成日時:2020年5月4日 3時