青春 (ページ14)

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慎太郎「 …………ところで選挙ってなに？」

「「はぁ？」」

あまりに的外れな質問に、全員の声が揃った

樹「知らないで勝負受けたわけ？」

慎太郎「だってこれは譲れねーじゃん」

大我「はーっ！マジか！お先真っ暗だろ…… 」

全員が項垂れる中、北斗はいつも通り冷静な表情で

北斗「演説とか、自分のアピールして相手に勝てばいーんだよ」

慎太郎「余裕だな！…………演説ってなんだ？」

優吾「どこが余裕なんだよ…… 」

やっぱり不安でしかない、この人。

ビラ配りやら、なんやらから始まった慎太郎の選挙活動

なんと言ってもこの人たちの柄の悪さのせいで、カトレアの子達は誰一人ビラを受け取ろうとしない

「下手だなぁ」

樹「 Aが一番得意そうじゃん！やれよ！」

「はいはい」

樹からビラをいくつか受け取って、近くを通りそうなカトレアの生徒にそっと差し出す

「よかったら応援してください」

『あっ、はい、！』

「ありがとうございます！！」

ニコニコしてれば基本的に何とかなるんだけどね、普通は。

樹「お前すげーな！」

「愛想だよ」

樹「いや、お前可愛いかんな。そのおかげだな」

「そりゃどーも」

樹「本気でおもってんだけど！？」

「どうだかねー」

どうしても軽く聞こえる樹の言葉をスルーしたらなんか一人でブツブツ言ってるし

次は誰に渡そうかな～、なんて周りを見渡せばザワつく女の子達

『あの人感じ良いわね！』

『素敵～！』

普段滅多に笑わない北斗が、女の子相手ならわたしくらいにしか見せたことない笑顔を振りまいてる

「 ……なにあれ」

樹「こらこら妬かない妬かない」

「べつに妬いてない」

樹「 Aが一番だとおもうよ、今んところ」

「一言余計だ、ばか」

なんか今まで以上につらい気がするのは、わたしの気のせいかな？