＊ ページ28
「俺にそんな目を向ける奴はなかなかいない。人間にしてはやるじゃないか」
『え？って、ちょっ？！』
言葉を続けたかと思えば、グルッペンさんはそのまま近付いてきて私の腕を掴み歩き出した。どういうこと？！何？！
『どこに行くんですか？！』
「良いから来い」
『ここ…うわっ！？』
連れてこられたのは彼の自室。私は思いきり腕を引かれた為、床に倒れこんでしまった。
『…一体、何の用ですか？』
「そうだな…お前に教えてやろうと思ったんだよ」
『教える…？』
「あぁ、さっき言ったばかりだろう？保護する代わりに血を差し出せ、と」
！…確かに、そんなことを言われた。
しかし……
『差し出すって、どうやってですか？』
「なに、簡単なことだよ」
カツ、カツ、と靴の音を鳴らしながら近付いてきた彼は、私の肩を掴み首元に顔を寄せると
『っ、痛っ？！？』
＿＿＿そのまま噛み付いてきた。
今までの人生で経験した事もない感覚。
彼の鋭い牙が皮膚を裂く痛み。
首元に感じる暖かさ。
身体の中から何かが抜けていく感じ。
耳に響く血を吸う音。
痛い。怖い。嫌だ。
噛まれた所が熱い。激痛が走る。
血が出ていくのが嫌でも分かってしまう。
まるで魂を吸われているかのようで、私自身が持っていかれている気がする。怖い。
『っ、！！』
止めて、嫌だ、と言いたいのに…今にも叫び出してしまいたいのに……声が出ない。どれだけ口を動かしても、思いは音にならなかった。
ふいに彼が口を離した。
止めてくれた、もう終わった、そう思ったのに…それはまたすぐに絶望に変わった。
「何だ、この血は……」
『え……？』
「…痛いか？安心しろ、直に麻酔が効いてくる」
そしてまた彼は私の首に噛み付いた。
『っ、嫌、嫌だっ！止めて！』
やった、声が出た…！
しかし、彼はその声を聞くと口を離したかと思えば、楽しげに言葉を紡いだ。
「良いゾ。その反抗的な目、態度。従順なだけの餌などつまらない。そうやって刃向かってくる奴を屈服させてこその食事だ」
…は？この人は、いや、この魔物は、何を言って…？
私が恐怖に駆られていると、彼は再び私の血を吸い始めた。
「美味い…」
夢中になって血を吸うグルッペンさんの瞳は、先程までの紅より更に爛々と輝いている。それは、とても美しく、恐ろしかった。
視界が霞んできて、私はここで死ぬのだろうか と、まるで他人事のように思っていた。
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ユドーフ(プロフ) - あんりさん» ひぇぇぇありがとうございます！！嬉しいです！！絵柄コロコロ変わる人間なので、今はまた違った感じなのですが、そう言っていただけると嬉しいです！！(イラストは基本、Twitterの方であげたりしています！) (2019年12月23日 21時) (
レス) id: 92bd9f5310 (このIDを非表示/違反報告)
あんり - いやぁ神作品ですねぇ！！！イラストもどストライクの絵柄でした！！！ (2019年12月23日 19時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - うんちっちさん» 神だなんて畏れ多い...！ありがとうございます！頑張ります！！ (2019年12月17日 20時) (レス) id: 839dbecfab (このIDを非表示/違反報告)
うんちっち - いやはや...神ですねぇヤバいですねぇ〜更新頑張ってくださいね！ (2019年12月17日 18時) (レス) id: 473868f78a (このIDを非表示/違反報告)
ユドーフ(プロフ) - ルーンさん» ルーンさん！またコメント...ありがとうございます！嬉しすぎます！！今ちょっとリアルが多忙なので、もう少ししたら更新出来ると思います！頑張ります！！(えっ、えっ、ぽこにゃ んさん知ってます！！好きです！！！え、嬉しい！ありがとうございます！(煩い) ) (2019年12月5日 0時) (レス) id: 743532c008 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユドーフ | 作成日時：2019年9月22日 2時
