16話 ページ16
着替えを終えて、更衣室を出ると…。
A「いた…。」
神山さんが言った通り、休憩室の椅子にどんと座り、
スマホをいじりながら、飲み物を流し込んでいた。
何を飲んでるかと言えば、缶コーヒーだろう…って
A「んえ!?」
意外な光景に驚きを隠せないでいた。
だって、今飲んでるの…、『ココア』なんだもん。
いや、勝手にコーヒー飲んでるイメージだったから、ギャップが…。
すると、突然の声に向こうも気づいたのかこっちを向いた。
相変わらずの怖い顔…。
桐「……何?」
A「え、い、いや、あの…。」
私が早く物を言わないからか、桐山さんははぁと溜め息をつく。
何も無いなら早く帰れと思っているのか…
桐「これから学校?」
A「え?あ、はい…。」
桐山さんからの質問。
突然のことで、はいしか言えなかった私に…。
桐「……頑張ってな。」
A「っ…。」
桐山さんは、一言そう言った。
そしてすぐに、飲み干した缶をゴミ箱に捨て、
唸って身体を伸ばしたと思ったら、颯爽と作業場に戻っていった。
えと…今のは…。
さっきの怖い顔とは違う…、
なんだか角がちょっと取れた柔らかみのある顔で。
そして…
『頑張ってな』
文字に表すとわからないけど、
関西弁のイントネーションで言われたこの言葉。
作業場ではずっとキレイな標準語だったから、
てっきり大阪の人ではないと思ってた。
私の桐山さんに対するイメージが見事にひっくり返った瞬間だった。
そして、今まで見たことなかった桐山さんの姿に…
胸がとくんと高鳴った…ような気がした。
・
・
あ…。あのメモ、結局渡しそびれた…。
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あきおーはま(プロフ) - おずさん» お読み頂きましてありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです。拙い作品ですが、更新頑張りますので、よろしくお願い致します。 (2019年10月10日 20時) (レス) id: 78e54553dd (このIDを非表示/違反報告)
おず(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンきて癒されます!更新楽しみにしています。 (2019年10月10日 20時) (レス) id: bc6c17b8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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