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下へ降りて行くと、キッチンで二人仲良く料理を作るお母さんと叔母さんの姿
リビングのソファーには、叔父さんが趣味でやっている釣りの竿を磨いていた
「私も手伝います」
叔母「あら、ありがとうAちゃん」
二人の横に並んで、サラダに盛り付けるトマトやきゅうりを切っていると、もうそろそろ出来上がるカレーの良い香り
お玉でカレーをかき混ぜているお母さんの顔は優しくて、昔と全く変わらない
変わっているのは、優しい声が聞けない事だけ
叔母「もうあとはこれだけだから、あのイケメン達呼んできてもらってもいい?」
「叔母さんったら笑」
野菜をお皿に盛り付けてダイニングテーブルに並べ、皆を呼びに二階へと向かった
静かな部屋の前に立ち、ノックをしようとすると、自動的に開いたドア
「わっ、ビックリした...」
慎「お、いい匂いしたから行こうかと思ってた」
「もう出来たよ、行こう」
慎「待って」
丁度いいタイミングで出てきた慎は、スライド式のドアを後ろ手で閉めると、私の顔をじっと見つめる
「...どしたの、」
一歩、その距離を詰められ、少し後ろによろめくと、優しく引かれて、ふわりと慎の香りに包まれた
「...まこ、」
慎「辛いかって聞いても答え分かってるから」
優しく、大きな手が、私の頭を撫でる
慎「頑張んなくていいんだって」
「...大丈夫だよ?」
慎「...AはAのままでいいんだから」
いまいち言われてる事を理解出来なくて、トンっと慎の胸を押して顔を見上げると、下から叔母さんの呼ぶ声がして、慌てて離れる
叔母「Aちゃーん!冷めちゃうよ〜!」
「は、はーい!すぐ行きます!」
もう一度、彼の顔を見ると、困ったように少しだけ笑って、再び頭をぽんぽんと撫でて、客間のドアを開けた
慎「ご飯、出来たみたいです」
翔吾「お腹ペコペコや〜!」
樹「いい匂いしますねぇ」
そう言うと、
翔吾さんといっちゃんは下へと降りて行く
壱「...なんやお前ら、秘密を共有したみたいな顔しよって笑 はよ行くで〜」
後から出てきた壱馬は、私と慎の顔を交互に見ると、ニヤニヤと茶化しを入れた
慎「そんな顔してました?」
壱「してました〜、ほれ、急げ!」
そう言って、壱馬は急かすように私と慎の肩に手を回すと、翔吾さんといっちゃんの後を追う
三人並んで階段を降りて行った
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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました! (2020年1月11日 22時) (レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 蘭さん» 楽しみでたまらないです!待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています!楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
★ - また慎くんで書いてください! (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます!すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2018年9月10日 1時