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慎side




Aを寝かせてから暫くして、勝手にキッチンを借りて、食べやすいようなおじやを作っておいた








基本的に友達にはドライって言われるし、色々と面倒な事はしたくないタイプだけど…



Aに対しては別で



ふと、溺れてんな〜と、苦笑いをしていると









「なんか、いい匂い…」







ガチャリ、と
パジャマ姿の彼女が目を覚ましてやってきた







慎「結構眠れたね、具合は?」








近寄って額に手をやると、さっきよりもだいぶ熱は下がったみたいで、顔色も少しスッキリして見えた








「凄く楽になった〜」


慎「お、良かった…おじや食う?」


「うん、食べる!!」







いつもより少し元気のない笑顔を見ると、着ていたパーカーを着せてあげて、椅子へと座らせた


コト、と机にお椀を置くと、いただきます、と食べ始めて、向かい側からその様子を眺める







「ふー、ふー…あちっ!…おいひぃ…」







頬杖をつきながら見ていると、そんな風に一生懸命食べていて、思わずニヤける



一生見てられるわこれ…





心配する気持ちと、誰にも見せたくない、


って独占欲が交差する









「ご馳走様でした!美味しかった、ありがとう!」


慎「ん…はい、薬飲んで」


「はーい」








風邪薬を手渡して、素直にごくんと飲み込むA








慎「よし…すぐ眠くなると思うから…
もっかいベット戻ろっか」







背中に手をやって寝室へと促すと、また身体が熱くなってる事に気付いた


じんわりと滲んだ汗は、
小さな彼女の身体が風邪と戦っている証拠









「もちょっと、寝るね…」


慎「待って、服替えよ?汗かいてる」


「ん〜…」


慎「ほら、冷えちゃうから…」


「うん…」








眠そうな彼女の服に手を掛けると、思い出したかのようにハッとして、熱い手を上に重ねて止められる








慎「ん?」


「今日…下着、つけてない…」


慎「え、あっ、ごめん…」


「…後ろ向いてて?」









そう言われて後ろを向くと、衣服の擦れる音がして、不覚にもドキドキしてしまった








「着替えたよ、ごめんね?」


慎「いや、俺こそ…」







そしてベットへと入り込んだAは、
再び潤んだ目で俺を見上げると







「まこと…ありがと」





そう言って眠りにつく



早く治して、元気な笑顔見せて。





熱い頰に唇を寄せると、小さく笑ったように見えた




fever –fin–

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alcohol→←fever



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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました! (2020年1月11日 22時) (レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
- 蘭さん» 楽しみでたまらないです!待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています!楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
- また慎くんで書いてください! (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます!すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月10日 1時

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