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fever ページ39

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慎side







慎「…買い過ぎたか」








右手のビニール袋は、コンビニに寄って買った風邪薬、飲み物、ゼリーやヨーグルトで一杯





…どうやら彼女が風邪を引いたらしい





風邪引いちゃったってLINE来て、
大丈夫かって送っても返ってこないから


居ても立っても居られずに、
Aの住む東京まで飛んで来てしまった








家の前まで来てインターフォンを鳴らしても出る気配が無く、一応ドアに手をかけると…



ガチャ、と開いたドア









慎「開いてるし…って、おい!!」


「…あれ…まこ…ゲホッ…」


慎「何してんの…立てる?」


「ん…ごめ…」









そこには、手に財布を持ったまま壁にもたれかかり、辛そうに息をするAが居た








慎「…熱っ」








額に手をやると、明らかに高熱で、肩から掛けられたブランケットがずり落ちてるのにも気付かないくらいに、彼女はやられていた







「薬…買いに行こうと思って…」


慎「買って来たから」


「ごめんね…慎こんなとこまで」


慎「いいからもう喋んないの」








なるべく振動を感じさせないように、優しく身体を持ち上げると、Aはいつにも増して軽かった


寝室のドアを開けて彼女を寝かせると、
虚ろな目で俺の姿を捉える









「まこと…ほんもの?」


慎「…ばーか」


「へへ…ほんものだぁ」


慎「喋ってたら熱上がるよ」


「んー…」








買ってきた熱さまシートを額に貼って、頭を撫でてやると、気持ち良さそうに目を瞑る


こんなに辛そうなのに安堵の表情を浮かべて擦り寄るAは、まるで猫のようで







「まこと…どこにもいかない?」







ゆっくりと開けられた目


瞳は熱を帯びて、うるうると涙を浮かべている



…何だこれ、可愛すぎる








慎「どこも行かないよ」


「ふふ……まことぉ」


慎「ん?」








熱い頰に手の甲を当て、そろそろ寝かせなきゃな…なんて考えていると、またもや名前を呼ぶ彼女


いつもはしっかりしてるけど、今日は熱のせいかふにゃりとした話し方で









「ありがとう…だいすき」








そんな風に潤んだ目で言われて、今すぐにでも抱き締めたい衝動を押さえ込む








慎「…側にいてやるから、ちゃんと休んで」








そして再び頭を撫で始めると

安心したように眠りについた









慎「まじ…破壊力抜群すぎでしょ…」








風邪を引いた彼女は、抜群に可愛くて困る。




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MAO - とても素敵なお話で、一気に読めました! (2020年1月11日 22時) (レス) id: 7e55f29c35 (このIDを非表示/違反報告)
- 蘭さん» 楽しみでたまらないです!待ちきれません (2019年8月10日 16時) (レス) id: 772a3fabcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ★さん» 物語が思い浮かんだら、再び慎君で書かせて頂こうと思っています!楽しみに待っていて下さったら嬉しいです(^^) (2019年7月19日 0時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
- また慎くんで書いてください! (2019年7月15日 21時) (レス) id: b78fe88ec4 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - shyboyz17mさん» 最後まで読んで下さり、こちらこそありがとうございます!すごく嬉しいです泣 (2019年3月25日 23時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年9月10日 1時

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