＊ ページ21
「あれっ、Aさんどうしたんすか？」
「ごめんね急に。勝己くんいたりする？」
「今は外出てていないっすよ」
「良かった」
お茶を出してくれたからお礼を言って、
いつも事務所に来てる時に座ってる席に腰掛けた
「やっぱり勝己さんのことですよね」
「そうなの。様子おかしいのに何も言ってくれないから…｣
「あの日、勝己さんの目の前で子供が死んだんです」
唐突に告げられた言葉に理解が追いつかなかった。
敵の目的がヒーローの社会的信用を失わせること。
色んなところに仲間を散らばせて、
色んなところで対応させてるうちに
犠牲を生む、
そういう計画だった。
勝己くんが丁度現場に着いた時。
間に合わなかったと、彼は言った。
「俺が担当した敵はあんまり手応えなかったんです。捕まったら大人しいなって。」
「勝己くんはそこで…？」
「はい、俺が勝己さんの所に追いついた時には敵は捕まってて、勝己さんはその子供のお母さんから責められていました。」
「そんな…」
「俺も思いました。そのお母さん止めようと思った。けど、勝己さんは『間に合わなかった時点で俺も敵と同じなんだよ』って。」
あの日の見たことないほどの辛そうな表情。
私を抱きしめていた身体が少し震えていたのも。
「犠牲を出さないヒーローなんていない。俺はそう思ってました。犠牲が出てしまった時悲しみや怒りも背負うのがヒーローでした。」
私だって助けて貰ってる立場なのに
救おうだなんておこがましいのかもしれない。
でもヒーローが傷ついた時、
救ってあげられる人は誰なんだろう。
「…どうすれば勝己くんを救えるかな」
「すんません。俺もわかんないです。…けど勝己さんが元気取り戻せるとしたらそれはAさんしかいないと思います。」
「ありがとう。勝己くん戻ってくる前に出るね。」
「はい、また来てください」
考えたって答えは出ないと思うけど、
勝己くんのそばに居ることは
私にもできるはずだ。
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なつなつき(プロフ) - 雪音さん» コメントありがとうございます。完結して時間が経つのに感想がいただけてとても嬉しいです！ぜひ、次も楽しんで頂けたら幸いです！ (2020年5月7日 8時) (
レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 涙がああ…続き読んできますねええ…好きですうう… (2020年5月7日 5時) (レス) id: dd74d32d36 (このIDを非表示/違反報告)
なつなつき(プロフ) - 無気力人間Aさん» 凄い褒められててびっくりしました！こんなに長文を頂けて嬉しいです。テストが終わらないのでまだ更新は遅いと思うんですが待ってていただけると嬉しいです！本当にありがとうございます！頑張ります！！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: 0034c747bb (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間A(プロフ) - あっ！書き忘れてたので足させていただきます！夢小説ってほとんど夢主がくっついたらか、原作が終わったら終わっちゃうので大人になって結婚するところまで書いてあってほんとに読んでて楽しかったです！！文と文の間もちょうど良くってとても見やすかったです！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します……くっ、、、涙が止まらねぇ！…です(泣)なつなつきさんは神作者ですね！！めちゃめちゃ良いお話で引き込まれまくりました。いや、もうしばらくはこの小説の余韻が抜けきらないと思います！神小説をありがとうございます！終わりまで頑張ってください！ (2019年12月10日 0時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつなつき | 作成日時：2019年11月20日 8時
