爆豪くんとちび 2 (ページ36)

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辛いな、

いつ帰ってきてくれるんだろう

「…もう2ヶ月経ったよ勝己くん」

大好きな手を撫でながら、

話しかけた。

「もう春なの。そろそろ勝己くんの誕生日だよ」

「そろそろでもないか、1ヶ月と少しあるもんね」

「私、お花見したいなぁ。桜並木をちょっと歩くだけでもどう？」

「勝己く…っ」

誰もいないと涙腺が弱い私は

いつも返ってこない返事を待つ時間が辛くて

矢継ぎ早に1人ごとを重ねている。

「勝己くん、勝己くん」

毎回名前ばかりを呼んで。

2ヶ月経ったって、あなたが隣にいないのが変な感じ

その大きな手で私を抱きしめてくれないのも

低めの声で名前を呼んでくれないのも

全部慣れないよ

「…っ！？」

私の手の中の勝己くんの手が、

ぴくっと動いた気がした。

信じられなくて、息を止める。

ぴくっ、もう1回。

握り返すと、確かに力が籠った。

「勝己くん！勝己くん！！！」

祈るようにその名前を叫べば

「…るせぇな」

大好きな大好きな、愛しい人の声。

「遅いよドアホ！！｣

「おふっ」

勝己くんに飛びこんだ私は、

慌ててきた看護師さんにあとで

めちゃくちゃ怒られた。