爆豪くんとちび 2 (ページ33)

今日:14 hit、昨日:1 hit、合計:125,158 hit

＊ページ33

「あれ、切島くん？」

「おー麗日。今日1人？」

「デクくんはちょっとお仕事。切島くんも？」

「おう」

歩き出した麗日の隣に並んで、面会許可を取った

「Aちゃん、全然食べてないしやつれていってるのに私たちの前で1回も泣いたことないよね。」

「ああ」

「Aちゃんのお母さんも泣いたところ見たことないって」

「そうなのか…？｣

「絶対辛いのに…なんであんなに強いんやろ」

病室のドアをノックして少し

返事が無かったから寝てるか買い出しと思って

そっとドアを開けた。

爆豪が目を覚ましているのを期待して。

病室に入ると、ベッド周りのカーテンは閉めてあった

「…ねぇ、いつ戻ってくるの？」

カーテンの中から聞こえた声に、

思わず麗日も俺も足を止めた。

「高校の時言ってたじゃん、俺は死なねぇって勝手に殺すなって、それって死んでなければいいってことなの？1人にしないでよ！！目覚ましてよ…！！」

湿った声と一緒に聞こえるその言葉に

胸が締め付けられた。

麗日に軽く袖を引かれ、

入ってきた時より静かに病室を出た。

「誰も、気づかなかった」

外のベンチに腰掛けた。

こんなに気持ちいい天気なのに

心は晴れなくて、

爆豪がまだ目を覚ましていない事実を突きつけられる

「Aちゃん、ああやって泣いてたんや…」

「気付かないふりしてあげた方がいいのかもな」

「なんで！？」

「周りに心配かけたくないからって持田なりに頑張ってるのを俺は邪魔できねぇ」

「…そっか」

それから、1時間くらい

何も話さず麗日とベンチに座って

やっと、爆豪の病室に向かった。