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終わりのアイズ ページ41

しばらくは何事もなく、みんなで夜空に上がる花火を見ていた。




高畑くんやいちかと一緒に座って、アイスを食べながらいろんな話をして、



こんな風に普通に話せるのが、こんなに幸せなことだったなんて…





『………』






未だに親友の死が受け止められない自分。


本当は全部、誰かが考えたドッキリでした…だったら、どれだけいいのかな。






ふと視線をずらすと、頭をうつむかせて座る天谷の姿があった。



誰も話しかけようとはせず、何より近づく奴はいなかった。





いちか「A?どうしたの?」

『……ごめん、ちょっといってくる』





半分残ったアイスを片手に、天谷の元へと向かう。


そっと近づくと、天谷は足元をただ見ただけで、顔を上げようとはしなかった。







『勝ち負けなんて関係ないよ。誰も犠牲ならなかったんだから、それでいいじゃん。』







天谷「……俺が死のうが、悲しむ奴はいない。死んだって…別にいい」



『……』パチンッ





うつむく天谷の顔を上げ、頰を軽く叩いた。






『……バカだよ、相変わらず。あの時も今も、自分のことを大事にしなくて、意地っ張りな性格』




天谷「…っ…!」





溜まっていた感情が涙として流れてくる。

足の力が抜けてその場に崩れ落ちた。






『……やっと気づけたのに…死んでもいいなんて、言わないでよ』







平気で残酷なことをして、必ず誰かと殴り合いしてる不良…。だけど、



それでも…





『…いるよ。ここにいるのに、それでもそんな事言うの…?』



グイっ


『…っ!?』



涙を拭う手がグッと引っ張られる。

それと同時に天谷の顔が近づき、




涙で濡れた頰に天谷の唇が触れた。






天谷「じゃあ、俺の隣にいてよ」







耳元で優しくそう囁いた。

なんて言っていいか分からなくて、その場で硬直してしまう。





天谷「なぁーんて、冗談♪」






そう言っていつもの笑顔を見せる。

その笑顔に恥ずかしくなってその場から離れた。





天谷の声がまだ耳元に残っているような感覚で
、耳が熱くなる。




いちかに相談すればわかるかな。

ううん、もしかしたら自分でも薄々気づいてるかもしれない。



いちか達の元へ足を運んだ。


しかしその足はぴたりと止まってしまう。








「ごめん、わたし…やっぱり映画行けないや」




いちかの頰に流れた涙。







平和に終わったはずのゲームが、






いよいよ、本当の終わりを迎える。

生キルと死ヌ→←おわりのアイス



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百鬼夜行破壊 - マジで最高!書いてくださりありがとうございます! (2020年6月6日 5時) (レス) id: 05b29fdc85 (このIDを非表示/違反報告)
冷凍みかん(プロフ) - すっごく面白かったです!!続編っていうか、、神さまの言うとおり弐も見たいです…!! (2019年3月30日 22時) (レス) id: 8acbcb59d3 (このIDを非表示/違反報告)
三葉 - ラミさん» ありがとうございます!自分でもまた書きたいのですが…泣(本編がでないから短編とかやってみたいなぁなんても思ったりして…f^_^;)) (2015年7月24日 22時) (レス) id: 7d9f1dee17 (このIDを非表示/違反報告)
ラミ - 天谷くんかっこいい!!!すごくおもしろかったです!次回作楽しみにしています。 (2015年7月22日 23時) (レス) id: 2884d33193 (このIDを非表示/違反報告)
姫香(プロフ) - あら〜^ (2015年7月2日 19時) (携帯から) (レス) id: e11717b2be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三葉 | 作成日時:2014年12月19日 22時

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