愛を知らず、溺れる II (ページ11)

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キミとツキページ11

____ ジョングク

『……ったく、どいつもこいつも月の間かよ』

Aがしばらく休養という情報を遊郭一帯に
回しているのにも関わらず毎日のように
彼女を指名したいという声

ホソ『ほんと、どんなけ人気なんだよあいつ』

ジン『だって僕の可愛い娘だよ？当たり前でしょ』

なんてジニヒョンが真面目な顔で言うから、
その顔が面白いなんて言って笑えるはずもなく

なにも変わらない。ただAが居ないだけ
月の間に居た頃でもそんなに話す暇も無いくらいなのに

居ないのと居るのとでは全然違ってて、
女の子達も自然とやる気を失い始めてる

『ほーら、Aのために頑張ろう』

そう言うと、みんな笑顔でうなづいて頑張ってくれる
それほど、みんなにとって彼女の存在は大きい

それは勿論、俺にとっても

『A…』

居ない月の間で綺麗なツキを見ながらお前の名前を呼ぶ

目を閉じると、いつもみたく横から可愛い返事が
聞こえてきそうで

『なあに？』

ふと、聞こえた声に振り返るとそれはジニヒョンで

『ちょっと、ヒョン。今本気で殴りかけました』

ジン『やだ。こわいー！！ジョングク怖いやだああ』

そんなこと言うジニヒョンだけど俺を心配して
来てくれたのはもう、わかってる。

ジン『……グギ。会いに行けば？』

『会えるなら会いたい。でも会ってしまうと…』

そこまで言った言葉はジニヒョンに遮られて

ジン『なに？会ってしまうと離したくなくなるって？

いつの間に男らしくなったのグギ。』

『元からです。俺は元から男らしいです』

そんな冗談を言いながら、変わらない綺麗な月は
俺たちを照らしていた。

月の間で輝いてたAのように

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