麗柱は超美人。

二十六輪の花 ページ27

冨岡side


Aがお館様から三日間の休暇をとった。


体や体調が悪いらしい。


俺のせいだと咄嗟に自分を責めた。


先日、俺は感情が爆発してAを無理やり襲ったせいだと思った。


謝罪の言葉が頭に浮かぶ。






…Aに。Aに謝りたい。


しっかりとAの目を見ながら、


今まで俺がAにしてしまったこと全てを。


…もう既に、俺のことを嫌っているのは重々理解している。


でも…俺は謝りたい。


Aを自分のせいで苦しめたくない。


命より大切なAに健やかな日々を送ってほしい。


それが柱同士、いつ危険な状態になってもしょうが無くても。


俺はAを守りたい。





…もしも、






……もしも。







Aが今まで俺がしてきたことを許してくれたら。






いや…




許してくれなくてもいい。


俺はAに何かをしてあげたい。


今まで何もしてやれなかったことを。


…甘味処でAの大好きなパフェとやらを存分に食べさせてあげたい。


…Aが昔、立ち止まって欲しそうにしていた着物を買ってあげたい。






A自身が、俺自身へ向ける笑顔を見たい。









いつの間にか、Aの屋敷に足を運んでいた。


Aの屋敷には、美しい藤の花や四季の花がいつも見事に咲き誇っている。


確か、Aが少し愛でてあげるだけでその花たちは活気に溢れていくという噂があった。


それに皆には内緒で、その花を亡くなった鬼殺隊の墓へ毎月持って行っていることも鬼殺隊の間では噂の渦を巻いていた。


Aの心は清く、美しい。と誰もが思っている。



Aの屋敷に着く。


外側から中の様子を伺った。


すると…障子の隙間から、俺はAが壁に体を預けながら苦しむ姿が視界に入った。


いけない。このままではAは倒れてしまう。


思考を働かせるより、行動が先に動いた。


Aを包み込んだ。


とにかく体が熱かった。


こんなになるまで…俺は何も出来ずにいたのか。


そう思うと何十年振りの涙が零れた。


すまない…。


すまないA。


そう思っていると、Aが抱きしめる力を強くした。


意識がないのだろうが、俺はそのまま強く抱きしめた。


俺はAをベットに寝かせ、看病をした。


胡蝶に看病してもらった方が治りは早いのだろうが、確か今日から一週間任務に行っていた気がする。


Aの為に不器用だが、俺はお粥を作ってあげた。

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