転生したら推しになっていた心境を答えよ。ver.3

気分屋 ページ44

ーNo sideー

定期テストの採点が終わり、結果が廊下に張り出された。
生徒は我先にと結果の張られた壁へと向かっていく。
その様子は、さながら一つの群れのようだ。
…全く統率はとれていないが。



リ「……」


怒号が飛び交う中、リドルは静かに紙を見つめている。
その顔付きはとても険しく、拳を固く握っていた。


ジェ「リドルさん。
そんなに怖い顔をなさっては、周りの方々が驚いてしまいますよ」

リ「ジェイド、思ってもいないことを言うのはおよし」


手厳しい、とジェイドは笑みを深める。
リドルは一つため息をこぼしたあと、ジェイドに向けていた視線を壁に戻す。

釣られたようにジェイドも壁に視線を移し、クツクツと楽しそうに笑い声を上げた。


ジェ「面白い結果になりましたね」

リ「………彼は、勉強が好きなのかい？」

ジェ「勉強に熱中していたのは…ミドルスクールが最後だったように思います」

リ「それで、この成績だって…？」

ジェ「ふふふ、調子がいい時はとことん調子がいいんですよ」


苦虫を噛み潰したような顔、というのは今のリドルの顔を指すのだろう。
震える肩がグツグツと煮え滾る怒りを表している。
対してジェイドは、愉快なものを見つめるように壁に張られた結果を見つめている。


ジェ「僕は何も知りませんよ？」

リ「先生方はしっかり生徒たちを見ている。…不正などできるはずがない」

ジェ「それでは…この結果は実力だと？」

リ「………そう思わざるを得ないようだね」



どことなく漂う空気が沈んだとき。








「なぁにしてんのぉ？」








その声に、二人は一斉に振り返った。
一人は悔しそうな顔で、一人は心底楽しそうな顔で。
二人のを見た彼は、不思議そうな顔をした。


「なに？なんかあったぁ？」

ジェ「ふふ、あなたの話をしていたからですよ。
今回は随分と調子が良かった(・・・・・・・)ようですね？」

「あは、そーなんだよねぇ。見た事あったから、テキトーでもいけたぁ〜」

リ「ちょっと待つんだ、山を掛けたっていうのかい！？」


リドルの問いに、彼は笑って答えた。






「オレ、一回見たらだいたい覚えられんだよね〜」





リドルは絶句した。
それ気にする様子もなく、彼は「ジェイド、また後でねぇ〜♡」と去ってしまった。


リ「…天才というのは、恐ろしいものだね」

ジェ「ええ、本当に」





【学年一位 フロイド・リーチ】


結果の一番上には、彼の名前が記されていた。

ご機嫌タコちゃん→←いつもと違うのもいいでしょ？

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